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令和7年度の全国家畜衛生主任者会議で発表された「家畜衛生をめぐる情勢について」では、豚熱についても詳細な報告があった。
飼養豚の豚熱は2018年9月の岐阜県での発生以降、24都県で98事例の発生があり、約42.9万頭が殺処分されている。
2018年6事例、2019年45事例、2020年10事例、2021年15事例、2022年9事例、2023年4事例、2024年5事例、2025年4事例と推移している。2019年のワクチン接種開始以降、散発的な発生となっているが、2024年に岩手県、新潟県、愛媛県での初発生、2025年の千葉県での初発生など、発生地域は拡大している。
2025年の4事例は、群馬県の1月23日(95例目、約4,800頭殺処分)、2月21日(96例目、約8,700頭殺処分)、4月5日(98例目、約7,300頭殺処分)、千葉県の3月31日(97例目、約5,480頭殺処分)と関東での発生となっている。
また4月11日には宮崎県の野生イノシシで陽性が確認された。南九州では初の確認となる。飼養豚へのワクチン接種は済んでいるが、必要に応じた追加的なワクチン接種も行われる。イノシシのサーベイランスが強化され、経口ワクチンの散布も、第一次の処理が4月17日までに終了している。
国はマーカーワクチンの早期実現により、飼養豚での感染がない状況にし「豚熱清浄国ステータス」を目指す。ゆくゆくはワクチン接種を行わない完全な清浄化への復帰を目指す。また母豚は感染していないなどの知見により、殺処分の範囲も見直していく。