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■高病原性鳥インフルエンザ対策 ワクチン使用も検討

2025-05-08 15:57 掲載 | 前の記事 | 次の記事

鳥インフルエンザ対策パッケージ(資料「家畜衛生をめぐる情勢について」より)

令和7年度の全国家畜衛生主任者会議で発表された「家畜衛生をめぐる情勢について」では、家畜伝染病をめぐる状況と方向性が報告され、高病原性鳥インフルエンザ、豚熱、アフリカ豚熱、口蹄疫、ランピースキン病がピックアップされた。

2024-2025シーズンにおける高病原性鳥インフルエンザは、14道県で51事例が発生し、約932羽が殺処分された。家禽における初発生は北海道の10月17日の事例で、例年よりも早い発生であった。51事例のうち、9事例は同じ農場での再発生であった。

1月に入って、愛知県、千葉県、岩手県の3県の養鶏地帯での連続発生が起こり、国は現地に対策本部を設置し、県と一体となった対策を実施した。3県における農場と周辺環境の緊急消毒は全額国費負担で実施し、発生農場の調査結果に応じた対策を行った。液状消毒液の活用や不織布シートを活用した入気対策の徹底・支援などの新たな対策も行われた。また緊急全国会議も実施され、危機感の共有、まん延防止のための関連対策の実施の徹底などを推進した。

シーズンになれば高病原性鳥インフルエンザの発生が常態化してしまったことを踏まえ、国は対策パッケージを打ち出した。大規模農場、再発農場、密集地域での発生を踏まえた対策強化が鍵となる。

高リスク地域の指定、消毒剤の備蓄、地域でまとまったカラス対策、水鳥の集まるため池の落水、塵埃対策なども検討される。農場内で発生棟と非発生棟への対応を区別するために分割管理の仕方も具体的にしていく。

有効な組換えワクチンが開発されてきた現状を踏まえ、ワクチンの使用も検討していくこととなり、同省は「科学的知見に基づいた措置が必要」と述べた。

また、2024-2025シーズンでは、防疫対策を民間事業者に委託することがみられたが、民間事業者を支援していくことも重要とされた。