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■「抗菌性飼料添加物」分類の見直しへ/L-カルニチン使用対象の豚 範疇拡大を検討

2025-04-21 14:20 掲載 | 前の記事 | 次の記事

農林水産省は、2025年4月16日、「第66回農業資材審議会飼料分科会・第48回同飼料安全部会合同会議」を、農林水産省の会議室およびオンラインで行った。

飼料添加物L-カルニチンの対象家畜の拡大、抗菌性飼料添加物の分類の見直しについて討議され、事務局が提示したものが異論なく了承された。

L-カルニチンについては、飼料添加物の取扱事業者からの要望が検討された。現行は種豚用と限られているが、種豚育成中のものへの使用拡大を認めるかどうかというもので、安全性に問題はなく了承され、その旨の答申を行うことになった。これにより、従来は体重が概ね120kgを超えたものが適用であったが、概ね60kgを超えたものにも与えることができるようになる。今後は、内閣府食品安全委員会の評価依頼等が行われる。

飼料添加物の用途は、以下に分類されている。

  1. 飼料の品質低下の防止
  2. 飼料の栄養成分その他有効成分の補給
  3. 飼料が含有している栄養成分の有効な利用の促進

このうち3については、成長促進目的のものと、コクシジウム等の寄生虫による生産性低下を防止する効果のあるものが含まれている。そこで分類に「4.飼料が含有している栄養成分の本来の利用の確保」を新設し、生産性低下を防止する効果のあるものを区分けする。今後は、内閣府食品安全委員会への諮問等が進められる。

対象となる飼料添加物は以下の通りで、諸外国では抗コクシジウム剤とされているものもある。

◆抗生物質 ポリエーテル系(イオノフォア)

  •  サリノマイシンナトリウム(効果:コクシジウム、対象:鶏)
  •  センデュラマイシンナトリウム(効果:コクシジウム、対象:鶏)
  •  ナラシン(効果:コクシジウム、対象:鶏)
  •  モネンシンナトリウム(効果:コクシジウム、対象:鶏、牛)
  •  ラサロシドナトリウム(効果:コクシジウム、対象:鶏)

◆合成抗菌剤

  •  スルファキノキサリン(効果:コクシジウム、対象:鶏)
  •  ハロフジノンポリスチレンスルホン酸カルシウム(効果:コクシジウム、対象:鶏)
  •  アンプロリウム(効果:コクシジウム、対象:鶏)
  •  エトパベート(効果:コクシジウム、対象:鶏)
  •  ナイカルバジン(効果:コクシジウム、対象:鶏)
  •  クエン酸モランテル(効果:豚回虫、対象:豚)

※対象の家畜には成長段階や種などの細かな規定がある

会議では、その他に報告事項として、飼料中の農薬(クロルベンジレート、パラコート、フェニトロチオン、デルタメトリン・トラロメトリン、シフルトリン)の規格の改正(いずれも国際基準に合わせるというもの)、飼料添加物の試験法の改正、飼料添加物の指定の手引きの改訂が説明された。