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日本家畜衛生学会の第100回大会が、2024年12月13日、明治京橋ビル地下講堂で開催された。
今年は創立50周年であり、また100回目となる記念の大会であった。午前中は第100回大会で、9題の研究発表が行われた。また午後は家畜衛生フォーラム2024が「家畜衛生の過去、現在そして未来2024」のテーマで行われた。
大会で発表された研究発表の発表者(敬称略)とテーマは以下の通り。
- コーヒー豆かす給与が肥育牛の肉質に与える影響
- 山田希恵(株式会社トクヤマ)
- コーヒー豆粕給与による牛尿石症予防効果
- 小川園栞(麻布大学)
- 暑熱が初生牛体重と初乳中Brix値に与える影響
- 榎谷雅文(北海道デーリーマネージメントサービス有限会社)
- スコア2の急性乳房炎牛に対するカンメルパスタ乳房塗布の効果
- 要 涼果(麻布大学)
- サルモネラワクチン注射鶏の排菌抑制効果ならびに腸内細菌叢の評価
- 萱場 昌(JA全農 家畜衛生研究所)
- 新規スクリーニング法を利用した牛伝染性リンパ腫ウイルスに対する抗ウイルス活性を有した化合物の探索
- 横山優人(麻布大学)
- 泌乳誘導下におけるMycoplasma bovis感染がウシ乳腺上皮細胞の乳汁合成機能および炎症応答に与える影響
- 永光理子(酪農学園大学)
- Micoplasma bovisがウシ単球の細胞死に及ぼす影響
- 髙野友李帆(酪農学園大学)
- Micoplasma bovisは感染する細胞種によって異なる病原性を発現する
- 今泉法子(酪農学園大学)
発表演題は審査され、優秀賞に麻布大学の横山優人さん、奨励賞に酪農学園大学の髙野友李帆さん、フロアー賞には酪農学園大学の永光理子さんが選ばれ表彰された。フロアー賞の選考は、会場参加者の投票も反映したもの。
横山優人さんらの研究グループは、牛伝染性リンパ腫ウイルスが3分ほどで検出できるレポーターアッセイを開発し、3時間ほどかかっていた従来のシンシチウムアッセイの結果と相関することを確認。さらに、新規のスクリーニング法で、抗ウイルス活性を示す化合物を探索し、細胞毒性を示さず、かつ低濃度で強い抗ウイルス活性を示す化合物2種を突き止めた。今後は突き止めた化合物の作用機序の解析を進める。
永光理子さん、髙野友李帆さん、さらに今泉法子さんの発表は、酪農学園大学の獣医衛生学研究室を中心とする研究グループの成果。いずれもマイコプラズマ感染の病態を解明するための研究。