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農林水産省がまとめた「動物用ワクチン戦略中間取りまとめ」には、薬剤等の売上高がまとめられている。抜粋して紹介する。
2022年の日本の動物用医薬品・機器等の売上高は約1,444億円で、その内訳は一般薬467億円、抗菌薬・駆虫薬441億円、生物学的製剤378億円、医療機器139億円、その他19億円となっている。
生物学的製剤のうち産業動物用ワクチンは293億円と全体の2割程度。また産業動物用抗菌薬・駆虫薬(220億円)は抗菌薬・駆虫薬の約半分を占めており、薬剤耐性対策の観点からも抗菌薬による治療からワクチンによる予防への移行が望まれる状況。
2012年から2022年にかけて、動物用医薬品・機器等の売上高は963億円から1,444億円と50%増加。その伸びの要因は、代謝性医薬品、循環器・呼吸器・泌尿器官系医薬品および消化器官系医薬品における愛玩用の販売高がいずれも2倍以上増加したことによる。
産業動物用ワクチンは、247億円から293億円と伸び率は20%程度。この間、産業動物の飼養戸数は4割程度減少している一方で、飼養頭羽数に大きな変動はなかった。実態として、人用医薬品と兼業していた大手のメーカーにおける収益性の低い動物薬事業からの撤退や、専業メーカーにおいても不採算品目の整理・終売が進んだ。また、製造ラインの更新や増設が進んでいないことから、生産現場での急激な増産ニーズに応えるため、一部製品の生産に支障が生じるといった事例もみられる。