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農林水産省は、2024年11月1日、「令和6年度(第20回)若手農林水産研究者表彰」の農林水産技術会議会長賞の受賞者を発表した。11月27日には、アグリビジネス創出フェアの会場(東京ビックサイト)で表彰式を行った。
農林水産業および関連産業に関する研究開発の一層の発展と研究開発に従事する若手研究者(40歳未満を対象)の研究意欲の一層の向上を図るために、優れた功績または将来の技術革新等につながる優れた研究業績のある若手研究者を農林水産技術会議会長賞として表彰している。今回は第20回目となり、20件の応募があり、5名が選ばれた。そのうち、獣医学分野で、北海道大学の佐藤豊孝先生と農研機構動物衛生研究部門の西 達也先生が選ばれ表彰された。
・佐藤豊孝先生(北海道大学大学院獣医学研究院獣医衛生学教室)
「OneHealthに基づく薬剤耐性菌対策に資する研究」
薬剤耐性菌(AMR)対策で重要でありながら依然科学的知見の創出が困難で乏しい動物・食物・環境と人とを繋ぐ横断的研究(両分野で出現する薬剤耐性菌が他分野へ与える影響分析と評価)と新規AMR対策に資する研究を行った。本成果は、農林水産省が主体となった動物用抗菌薬のリスク評価・管理措置や、内閣府、農林水産省、厚生労働省が主導するAMR対策アクションプランに含まれるOne Healthに基づいたAMR対策に寄与すると期待される。
・西 達也先生(農研機構動物衛生研究部門越境性家畜感染症研究領域)
「豚熱およびアフリカ豚熱の迅速な防疫を支える診断法の開発」
豚熱とアフリカ豚熱の迅速な摘発と防疫措置のため、民間企業と連携し、動物由来検体からの簡易な核酸抽出および調製法と複数遺伝子を同時に検出する遺伝子検査系を開発し、一連の豚熱とアフリカ豚熱の検査体系の確立に成功した。これにより、数日かかっていた検査が都道府県の検査機関等にて約2時間半で完了可能となり、全国に普及している。
また同時に「令和6年度(第25回)民間部門農林水産研究開発功績者表彰」の表彰式が行われた。16件の応募の中から、農林水産大臣賞1件、農林水産技術会議会長賞4件、公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会会長賞3件が選ばれ表彰された。
獣医畜産分野として以下の研究・開発グループが選ばれた(敬称略)。
§農林水産大臣賞
- 「認知機能維持に繋がる乳由来βラクトリンの発見と事業開発」
- 阿野泰久、金留理奈(キリンホールディングス株式会社)
- 綾部達宏、岩澤起矢、田口 悟(雪印メグミルク株式会社)
§農林水産技術会議会長賞
- 「肥満気味の方の腹部脂肪を減らすヨーグルトの開発」
- 明治脂肪対策ヨーグルトプロジェクトチーム(代表 株式会社明治 利光孝之)
- 「2層式ストロー(FCMax)の開発とその実用化」
- 内山京子、湊芳明、水谷啓司、船内克俊(一般社団法人家畜改良事業団)
- 井上浩一(富士平工業株式会社)