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■ランピースキン病が発生 福岡

2024-11-28 18:34 | 前の記事 | 次の記事

ランピースキン病の侵入防止対策のリーフレット

農林水産省は、2024年11月18日、牛にランピースキン病が発生していることを発表した(参照:「国内におけるランピースキン病の確認について」)。

11月6日に福岡県の2農場で、我が国で初めて発生が確認された。以降、福岡県の8農場(乳用7農場、乳用・肉用1農場)、熊本県の1農場(乳用、福岡県の発生農場から移動した牛が飼養されていた農場)で発生が確認されている。

ランピースキン病」はランピースキン病ウイルスによって引き起こされる牛や水牛の病気で「届出伝染病」に指定されている。主に吸血昆虫による機械的伝播で感染するといわれている。死亡率は高くなく、自然治癒する。

予防には、農場の消毒、吸血昆虫対策、ワクチン接種等を行う。飼養器具や注射針、人工授精用器具、直腸検査手袋などを介しても感染が拡がる可能性がある。

また、早期発見が肝要で、発症牛がみられた場合は隔離、移動の自粛を含む総合的な防疫対策をとることが必要である。

人には感染せず、ランピースキン病にかかっている牛の肉や乳が市場に出回ることもない。

福岡県はワクチン接種を11月18日に告示し(参照:「ランピースキン病のワクチン接種開始について」)、11月21日からワクチン接種を開始。県内で発生農場から半径20km内の農場で飼養されている牛に接種する。ワクチンは公益社団法人日本動物用医薬品協会が輸入・備蓄しているものが分与された(参照:「ランピースキン病ワクチン、11月18日から分与を開始」)。農林水産省は近隣諸国での発生状況より、日本中央競馬会の「2024年度畜産振興事業」を活用し、今年度からワクチンの輸入・備蓄を開始していたところ。なお、ワクチン接種した牛に由来する食品の安全性については、内閣府食品安全委員会が「人の健康に影響を与える可能性は無視できる程度」との見解を示している(参照:「ランピースキン病について」)。

この記事は、農林水産省のプレスリリースのほか、「家畜衛生週報」(No.3828,2024.11.18)の通信、日本農業新聞2024年4月2日の記事「牛ランピースキン病 ワクチン備蓄へ」を参考にしました。