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■誤操作リスクを減らし迅速にHPAIを判定

2024-10-09 16:09 | 前の記事 | 次の記事

新しく開発した遺伝子検査法(下段)と従来法(上段)の違い

農研機構とタカラバイオ株式会社は、2024年10月4日、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)ウイルスの遺伝子検査について、新たなマルチプレックスリアルタイムRT-PCR法を開発したと発表した(参照:農研機構プレスリリース「誤操作リスクを減らし、迅速に高病原性鳥インフルエンザを判定する遺伝子検査法の開発」)。

同検査法は、現行の検査と同等の特異性と検出感度を備えているだけでなく、複数の遺伝子検査を一度に実施でき、現在使用されている遺伝子検査法に比べ、検査者の操作を半減し、誤操作のリスクを減らすことが可能であり、判定に要する時間を大幅に短縮することができる。検査法に対応した「検査試薬(研究用)」は、10月4日にタカラバイオ株式会社から発売された。

これまでは、検査対象の遺伝子ごとに4種類の試薬を使って2枚のプレートで反応させていたが、本遺伝子検査法では、1種類の試薬で複数の遺伝子を識別して検出できることから、2種類の試薬を使って1枚のプレート上で検査が可能である。

また、検査者の操作が半減することから、誤操作のリスクを減らすとともに判定に要する時間を最大約150分短縮でき(従来法では検査時間約220~320分)、より迅速な亜型の判定が可能となる。