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■犬の心臓病マーカー降下剤・予防薬治療薬特許を取得 株式会社スケアクロウ

2024-09-27 18:32 | 前の記事

株式会社スケアクロウは、2024年9月24日、「心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)降下剤治療薬と予防薬及びその製造方法」の特許を取得したと発表した。

同社は、誰もが簡単に犬の心臓の健康を維持できるようなフード、サプリメントの普及を目指す。

僧帽弁閉鎖不全症の重症度を反映するものとして「心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)」値がある。これは、主に心臓の心房と呼ばれる部分で合成・貯蔵され、血液中に分泌するホルモンであり、血液検査で測定することができる。そのため、ANPは心臓のバイオマーカーとも呼ばれる。「ポリフェノール複合体」が心臓の負荷を軽減し、ANPの値を下げる役割が証明され特許取得となった。

  • 発明の名称:心房性ナトリウム利尿ペプチド降下剤治療薬と予防薬及びその製造方法
  • 登録番号:P7542838
  • 登録日:令和6年8月23日
  • 特許権者:株式会社スケアクロウ
  • 発明者:大川 博、鯉江 洋
  • 出願日:令和6年2月15日

今回の特許取得にあたり、全国15病院で僧帽弁閉鎖不全症の犬27頭に治験を実施。投与中の心臓病薬を継続しながらポリフェノール複合体を30日間併用し、試験開始時と30日後の血液検査を調査。呼吸の苦しさなどの一般状態の観察も行った。その結果、心臓のバイオマーカーであるANPの有意な減少(改善)、呼吸の苦しさの有意な改善が認められた(2023年10月 動物臨床医学年次大会で発表)。

「ポリフェノール複合体」の主成分は、フランス南西部に限られ植培されているフランス海岸松と呼ばれる松樹皮から抽出された素材で、安全な水溶性自然食品であり、非常に高い生理活性を有する天然の健康成分。世界中の研究機関による研究データが蓄積され800以上の研究論文がある素材。

米国獣医内科学学会(ACVIM)のガイドラインで、僧帽弁閉鎖不全症は進行度合いによりステージA~Dに分類される。ステージAは軽度、ステージDは重度。ステージB2~Cと診断されると投薬治療が始まるが、それより前の段階では経過観察とされることが多い。

同社はポリフェノール複合体を僧帽弁閉鎖不全症のステージ初期から飲用することを推奨している。