JVMNEWSロゴ

HOME >> JVM NEWS 一覧 >> 個別記事

■乳脂肪低下とどう向き合う 酪農科学セミナー

2024-07-22 15:53 | 前の記事 | 次の記事

デイリー・コンサルティング株式会社は、2024年7月19日19時からオンラインで、酪農科学セミナー「乳脂肪の最新科学:なぜ低下するのか?その対策は?」を行った。

講師は、乳脂肪分野に最適任者と言えるペンシルベニア州立大学のDr.Kevin Harvatine。現地との時差は13時間で、朝6時からの講演であった。通訳はデイリー・コンサルティング株式会社 代表取締役の安井 喬先生。

乳成分の中でコントロールが難しいとされる「乳脂肪」であるが、米国では年々、乳脂肪が増加する傾向にあり、注視されている。増加している要因には遺伝性の要因もあるが、栄養によるものももちろんある。

講演では、栄養的因子を解説し、その上で、乳脂肪を増やすためには、目標の設定、飼料のバランスをとること、飼養管理、モニターと調整が必要と解き、その具体的なことを詳述した。

講演のキーワードとなっていたのは「乳脂肪低下(MFD)」。MFD発生の機序を述べ、大きなリスクがあるのはリノール酸(18:2)であることや、ルーメン環境をどのように適したものにしていくかの具体例など、最新の科学知見を交えての講演であった。

講演は65分ほど。小休止をはさみ、約50分の質疑応答が行われた。

質疑応答では、講演内容に関することに加えて、乳脂肪を増やすための尿素製剤の利用や、糖投与の効果に対することなど、米国の最新状況に関するものも出て、予定時間を少し上回る活況であった。また、質問内容を超えた問いかけを行う安井先生の翻訳もセミナーをより有意義にしていた。

セミナー中に質問をできない場合も、1週間はE-mailで質疑を受け付けるサービスもある。

デイリー・コンサルティング株式会社では、年内にオンラインでのコーネル大学セミナーを開催予定であるが、セミナーの希望テーマも受け付けている。