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■犬の生誕・成長記録による個体管理と生後8週以降の販売を厳格に

2024-07-10 14:23 | 前の記事 | 次の記事

環境省は、2024年6月27日、中央環境審議会動物愛護部会(第64回)を開催した。議題は、以下の2つ。

  • 犬猫の8週齢規制に関する飼養管理基準等の改正
  • マイクロチップに関わる「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則」の改正

昨年に行われたペットオークションやブリーダーへの一斉調査の結果、全国のペットオークションで取引きされた多くの犬、猫の生年月日が改ざんされている疑いが浮上した(参照:環境省報道発表「ペットオークション・ブリーダーへの一斉調査結果について」)。

そこで、8週齢の実効性を担保するための省令改正に向けて審議が行われた。

一般社団法人全国ペット協会では、日々の記録を録るアプリ「あんしんペット台帳」を開発し、運用している。生後3日以内に登録しないと登録ができなくなり、一度登録すると変更はできないなど厳格なもの。今後、環境省が示すものも盛り込む予定とのこと。業界のなかでの努力が報われるよう、肩身の狭い思いをしなくてすむようにありたいとの発言があった。

また現行の台帳での「健康」という表現は曖昧なもので、健康への判断には獣医師や愛玩動物看護師が関与することが必要なのではとの意見もあった。

実際の規制のチェックに当たっては、自治体の負担が大きく、民間との協力、消費者への啓発などにより、実効性があり、かつ自治体に無理のない運用が必要であるとの発言があった。

環境省は、自治体の監視者が毎日のように現場に行かなくてもチェックできる体制を整えていかなければいけないと述べた。

環境省が資料として提示した新たな個体管理台帳は、個体ごとに1シートとし、1週間ごとに体重と写真を記録していくもの。マイクロチップ番号も記載する。ブリーダーからオークションやペットショップに生体が移行する際やペットショップから販売される際には、必ずこの個体管理台帳が示されるようにしていく。

マイクロチップに関する審議内容は、1つ前の記事「マイクロチップの登録事業統一へ そしてさらなる整備へ」で触れている。