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■マイクロチップの登録事業統一へ そしてさらなる整備へ

2024-07-10 13:59 | 前の記事 | 次の記事

公益財団法人日本獣医師会の第81回通常総会(2024年6月26日開催)で、マイクロチップ装着事業の報告が行われた。

従来からの同会が運営する登録運営システムである「AIPO登録」への登録数は、2023年度は13,446件で、前年度の118,818件に比べて大幅に減少した。累計登録数は、2,994,349件となっている。

また環境大臣の指定機関として国による「犬と猫のマイクロチップ情報登録」の業務も日本獣医師会が行っており、2023年度の新規登録が604,746件、変更登録は784,011件で、累計登録数は1,310,110件となっている。

また、国の登録事業のマイクロチップ情報は検索できない状態であったが、2023年6月の「動物愛護及び管理に関する法律施行規則」の改正により、診療施設の獣医師が疾病犬猫に装着されたマイクロチップの情報を検索できるようになり、日本獣医師会はそのシステムの整備を行った。

その他に日本獣医師会は、国の登録事業におけるコールセンター運営や普及啓発を請け負っている。

なお、国の登録事業への登録手数料が、2024年4月から100円値上げされて400円となり、同事業における収支の改善が見込まれている。

日本獣医師会では、国の登録事業とAIPO登録の統合に向けて、環境省等との検討を続けており、「進展がみられる」と報告した。

翌日に開催された環境省中央環境審議会動物愛護部会(第64回)において、環境省は「日本獣医師会とAIPO事業と国の登録事業を統合することで話を進めている」と明言した。

またマイクロチップ情報の検索について、さらなる法整備を進め、検索ができないために保護犬の飼い主がわからないといった事例を解決していきたいと述べた。

公的な犬の登録が環境省なのか厚生労働省なのかがわかりづらいという委員からの問いに対して、登録手続きの簡素化をはかる厚生労働省の「マイクロチップの装着等の義務化に係る狂犬病予防法の特例に関する対応」は、2024年7月に参加するものを含め全国の17.1%の市町村をカバーし、人口の多い市町村の参加が多いため約37%の人口をカバーするものとなっていると述べた。

マイクロチップに関して環境省が行っている「動物愛護及び管理に関する法律施行規則」の改正は以下の通り。

  • 犬猫の販売時の説明義務にマイクロチップの変更登録等の追加
  • 犬の転出時における「狂犬病予防法」特例制度参加市町村への情報提供の規定
  • マイクロチップの脱落等における手続の規定

これらは条文化し、パブリックコメント、秋に予定される審議を経て、2025年3月の施行を目指している。