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■麻布大学「出る杭研究プロジェクト」4期生研究発表会を開催

2024-06-18 15:22 | 前の記事 | 次の記事

「出る杭研究プロジェクト」4期生研究発表会

麻布大学「出る杭研究プロジェクト」を修了した学生たちによる研究成果発表会が、2024年5月29日に行われた。

麻布大学は、その内容を6月17日に公表した(参照:麻布大学プレスリリース「好きって素晴らしい~国内唯一の出る杭研究プロジェクトで魅せた学生の探究心」)。

同大学は、文部科学省の「知識集約型社会を支える人材育成事業」の中の「出る杭を引き出す教育プログラム」で唯一の採択を受け、「出る杭研究プロジェクト」を行っている。その最大の特徴は、学部1年次後期という早い段階から本物の研究に取り組めるというもの。

研究発表会の会場は、通常の卒業研究のポスター発表会と同じ形式であったが、明らかに異なる熱気と輝きを放っていた。

同プロジェクトへの参加を希望する学生は、単位修得に関係なく、「やりたい」「知りたい」という純粋な気持ちで応募してくる。そんな主体的で知的好奇心の塊である“出る杭”たちは、研究者でもある大学教員にとって、共に研究し、新しい知見を増やし、喜び合える教え子(仲間)として何より嬉しい存在。

ポスター発表会では、「どんどん聞きに来てください」と言わんばかりのアプローチ、それに群がる研究好きな学生と教員、そして質問に嬉しそうに答える発表者。純粋な研究好き同士が集まっているので、どこも輝きに満ちており、ライブ会場級の熱気に溢れていた。

§参加した学生のコメント

  • 無理のない範囲で自由に参加できるので、むしろやってみた方が良い。
  • 最初は軽い気持ちで参加したが、まさかこんなに研究好きになるとは思わず、新しい自分に驚いた。
  • 教員から指示を受けるのではなく、自分で新しい仮説を立てて考えて、自分で研究したいと思えるようになった。
  • 研究職への興味が出て、将来の進路の選択肢が広がった。大学院への進学意欲も湧いた。

指導を担当した教員たちも口を揃えて、「参加学生の探究心の強さ、研究分野に対する興味の持ち方が群を抜いて素晴らしい。ここまで自発的にチャレンジして研究に取り組めるとは。」と喜びを隠せないようであった。

・「麻布出る杭プログラム」の立役者 菊水健史教授のコメント

優秀な学生は、ほっといても伸びていきます。そのような学生に同プロジェクトへの参加を提供すると、成長スピードは更に加速し、学部卒業時には修士課程ぐらいのデータや思考が育ってきます。

やはり自発的な目的意識が高いので、科学的な手法を学ぶ姿勢、データから言えることの価値等をとてもスムーズに習得していきます。将来、サイエンスリテラシーだけでなく、協同性や学び続ける姿勢等、社会人として最も求められるような特性も高いと感じています。

当初は大学生を対象として始めたプロジェクトでしたが、現在、これを起点に高大接続につなげています。高校生も同じように、自分で「不思議」や「課題」を見つけ、解決に向けたアプローチを考え、チャレンジできる。今まで高校生活ではできなかった体験だと思います。このような教育理念と一致した高校と教育接続して、その取り組みが広がり続けていることは、想像以上の効果だと思います。

昨年から海外チャレンジプログラムを開始し、4人の学生が海外で自分の研究をぶつけ、議論してきました。このような機会を増やし、自分のチャレンジを研究室、更には日本という殻を破り、積極的に世界に向けてチャレンジしていってほしいと願っています。

本学には、学年に関係なく、学生の学びの「好き」を受け入れてくれる仲間、教員がいます。その「好き」を「力」に変えてくれる環境があります。これからの社会を担う大切な学生が新しい価値を見出せるように、これからも「麻布出る杭」は進化し続けます。