JVMNEWSロゴ

HOME >> JVM NEWS 一覧 >> 個別記事

■北海道に適した牧草新品種「ノースフェスト」の種子販売開始

2024-06-17 15:44 | 前の記事 | 次の記事

農研機構は、雪印種苗株式会社、北海道立総合研究機構と共同で育成した牧草フェストロリウム新品種「ノースフェスト」の種子を2024年4月から販売していると「プレスリリース」配信した。

フェストロリウムは、越冬性に優れるメドウフェスクと飼料品質に優れるペレニアルライグラスとの雑種で、両者の特性を併せ持つ新型の牧草。同品種は北海道全域での栽培に適し、放牧利用において多収。ペレニアルライグラスに比べて越冬性が、メドウフェスクに比べて飼料品質がそれぞれ優れ、既存草地への追播でも利用できる。北海道における放牧酪農の普及推進および自給飼料の高品質化に貢献することが期待される。

北海道では、ペレニアルライグラスとメドウフェスクが放牧および追播に利用されている。ペレニアルライグラスは、越冬性が劣るため道東での利用が推奨されておらず、メドウフェスクは春季に家畜の嗜好性が低下する場合がある。そのため、道東で利用可能な越冬性に優れる放牧および追播利用向けの草種・品種が求められていた。

農研機構は、越冬性に優れるメドウフェスクと飼料品質に優れるペレニアルライグラスを交配し、両者の特性をあわせ持つイネ科牧草フェストロリウムの品種開発を進めてきた。さらに雪印種苗株式会社および北海道立総合研究機構との共同研究により、冬季の気象条件の厳しい道東地域で現地選抜を実施した結果、道東地域での越冬性がペレニアルライグラスより優れ、また、高消化性繊維割合がメドウフェスクより高く飼料品質に優れ、放牧利用において多収で既存草地への追播でも利用できるフェストロリウム新品種「ノースフェスト」を育成した。

「ノースフェスト」は2018年に品種登録出願を行い、2022年に品種登録された。2017年に「北海道農作物優良品種」に認定された。「ノースフェスト」の種子は、2024年4月から雪印種苗株式会社が販売している。