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■新製品 犬の腫瘍に対するDNAワクチン「オンセプト メラノーマ」ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン

2024-04-03 15:51 | 前の記事 | 次の記事

「オンセプト メラノーマ」

ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン株式会社は、犬の口腔内メラノーマに対するDNAワクチン「オンセプト メラノーマ」を3月後半に発売した(参照:ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン株式会社 プレスリリース)。

同剤は、犬のメラノーマに対して既存の治療法に加え、生存期間の延長を期待できうる新たな補助療法オプションの可能性を提供するものとなる。

  • ヒトチロシナーゼDNAをコードしたpINGプラスミド(pINGhT)を主剤とする。
  • 腫瘍を適切に外科切除されたステージⅡまたはⅢの口腔内メラノーマの犬に、専用の針無し注射器「ベットジェット」(併せて発売)を用いて経皮的に筋肉内に投与することで、生存期間延長が期待できる。
  • 動物用再生医療等製品として条件および期限付き製造販売承認を得た、日本で初めてかつ唯一の犬の腫瘍に対するDNAワクチン。
  • 口腔内メラノーマの適切な診断・外科的切除手術・管理・処置・投与が執り行われて初めて効果が発揮されることから、専門の医療機関を通じて展開される。

「オンセプト メラノーマ」を犬に投与すると、プラスミドDNAが宿主細胞に取り込まれ、ヒトチロシナーゼタンパク質は宿主内で転写され、免疫細胞に発現する。ヒトと犬のチロシナーゼには相同性があるため、ヒトチロシナーゼに対する免疫反応はイヌチロシナーゼに対して交差反応し、腫瘍性メラノサイトを排除する。

なお、国内の臨床試験において被験薬の有効性を実証するために十分な症例数を確保できていなかったことから、条件つき承認となっており、市販後も製造販売後臨床試験が実施される。

同剤が使用できる専門機関は、一般社団法人日本獣医がん臨床グループ研究グループ、同グループに所属する獣医師が在籍する動物病院、日本獣医がん学会獣医腫瘍科医I種が所属する動物病院、獣医系大学の動物病院となる。

  • 成分および分量:1バイアル(0.4mL)中、ヒトチロシナーゼ遺伝子挿入pINGプラスミドDNA(スーパーコイルプラスミドとして)92.7µg以上
  • 効能・効果:原発巣切除後の局所病巣が管理された(切除創遺残病変への放射線照射、並びに所属リンパ節への転移陰性、または所属リンパ節が陽性である場合には切除または放射線照射された)ステージⅡ又はⅢの口腔内メラノーマの犬における生存期間の延長。
  • 用法・用量:1回0.4mLを、針なし注射器ベットジェットを用いて、犬の大腿部内側中央部で大腿骨上を避けた尾側寄りの筋肉内に投与する。初回免疫は2週間隔で4回、補強免疫は6か月間隔で行う。