HOME >> JVM NEWS 一覧 >> 個別記事
国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所は、2023年12月5日、これまで報告されてきたニホンモモンガの断片的な知見を集約することで、本種が植林されたスギを様々な用途で利用していることを明らかにしたと公表した(参照:森林総合研究所プレスリリース)。営巣や滑空移動の経路、そして花粉を冬季の食料にと様々な用途で利用している。
ニホンモモンガは、多くの都府県で絶滅が心配される動物であるが、同研究の結果は、スギ人工林はニホンモモンガの生息地として機能していることを示唆している。ただし、これは本種の生息が人間の経済活動の影響を受けやすいことも意味しており、例えば大規模な伐採を行うと本種の生息地が損なわれる可能性がある。裏を返せば人工林の管理を工夫することで、希少な野生動物との共存が実現する可能性も秘めているといえる。したがって、今後は人工林管理のガイドラインにニホンモモンガなどの希少な動物の保全、それらとの共存を目指すフレーズが登場することであろう。
同研究成果は、2023年9月7日にJournal of Vertebrate Biology誌で公開された。