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■「民間部門農林水産研究開発功績者表彰」日生研株式会社が農林水産大臣賞

2023-11-30 12:37 | 前の記事 | 次の記事

表彰式にて。右より永野哲司先生、長井伸也先生(代表取締役)、北原梨恵先生、鳥海宏司先生

業績の概要と評価のポイント

農林水産省および公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会は、2023年11月21日、令和5年度(第24回)「民間部門農林水産研究開発功績者表彰」の表彰式をアグリビジネス創出フェア2023(東京ビッグサイト)の会場内メインステージで行った。

22件の応募の中から、農林水産大臣賞1件、農林水産技術会議会長賞3件、公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会会長賞2件が選ばれた(9月13日に選考、11月1日公表)。

農林水産大臣賞には、日生研株式会社の「ナチュラルオカレンスを利用した鶏大腸菌症生ワクチンの実用化」の業績が選ばれ、同社の永野哲司先生、長井伸也先生、北原梨恵先生、鳥海宏司先生が表彰された。

遺伝子組換え技術を用いずに、ナチュラルオカレンスを用いて細菌に対する生ワクチンの開発に日生研株式会社は成功し、安全性が高く、省力的で簡便な大量投与方法(噴霧等)ができる製品を2013年に上市した。そして市場を形成しながら、鶏大腸菌症の予防に加えて、肉用鶏では育成成績の向上、採卵鶏では産卵成績の改善など生産性や収益性に寄与している。国内のみならず、タイ、エジプトやネパールでの製造販売承認を取得し、さらにベトナム、台湾、韓国等でも申請中の状況となっている。実験農場の試験では同ワクチン投与により、抗菌剤の使用が半減する結果も出ており、全世界共通で問題となっている鶏大腸菌症の発生による被害の低減のみならず、薬剤耐性菌問題の解決に寄与することも期待されている。

受賞者講演において永野哲司先生は、「(本ワクチンが)安全・安心な国産鶏肉・鶏卵の生産に寄与し、海外の養鶏産業にも寄与すると信じています」と述べた。

その他、獣医畜産関連では、「豚のAI発情検知システムの開発」で日本ハム株式会社が公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会会長賞を受賞した。