JVMNEWSロゴ

HOME >> JVM NEWS 一覧 >> 個別記事

■カツオの未利用部分の給餌でイルカを健康に 鹿児島大学

2023-11-24 15:33 | 前の記事 | 次の記事

鹿児島大学共同獣医学部臨床病理学研究室の大和 修先生らは、廃棄されるカツオの未利用部分の有効利用として、水族館のイルカの餌とする研究に取り組んでいる。2021年から地元鹿児島の水族館で給餌実験が開始されている。

2022年9月に行われた日本獣医臨床病理学会2022年次大会では、同研究室博士課程の荒川奈那美先生が、「イルカ飼料への水産物未利用資源導入によるフードエンリッチメント効果:イミダゾールジペプチド高含量のカツオ腹皮がイルカ臨床病理学的検査値を改善する」の発表で、一般演題アワード-優秀発表賞/研究部門を受賞するなど学術分野でも注目されている。

研究ではイミダゾールジペプチド(IDP)をはじめとする機能成分の摂取量の増加がイルカの健康に寄与する結果が出ている。全国の水族館におけるイルカの課題解決にと、大和先生は各地の水族館にも足を運んでおり、成果の拡がりが期待される。

これらの取り組みは地元の南日本新聞にも記事掲載されている(2022年9月30日付「カツオ食べてイルカ元気」、2023年4月4日付「鹿児島人物語 動物の生活の質向上を目指す 荒川奈那美さん」)。