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■高病原性鳥インフルエンザウイルス 3シーズン連続同一遺伝子型

2023-11-02 14:33 | 前の記事 | 次の記事

北海道美唄市のハシブトガラスから分離した高病原性鳥インフルエンザウイルスの遺伝子解析に基づく2021/22シーズン以降国内で分離されたウイルスとの比較。北海道株の8遺伝子分節の遺伝子解析を行った結果、2021/22シーズンおよび2022/23シーズンに発生を引き起こしたG2d-0の高病原性鳥インフルエンザウイルスと同じ遺伝子型であることが判明。

農研機構は、2023年10月4日に北海道美唄市で死亡したハシブトガラスから分離した高病原性鳥インフルエンザウイルスの全ゲノム解析を行い、その結果を11月1日に発表した(参照:農研機構プレスリリース)。

そのウイルスは2021/2022シーズン(2021年秋~2022年春)および2022/2023シーズン(2022年秋~2023年春)に日本で検出されたH5N1亜型高病原性鳥インフルエンザウイルスと同一の遺伝子型(G2d-0)に分類されるものであった。2004年以降、国内で同じ遺伝子型が3シーズン連続して検出されたのは初のこと。

この北海道株の推定アミノ酸配列には、抗ウイルス剤であるノイラミニダーゼ阻害剤およびRNAポリメラーゼ阻害剤に対する耐性変異や、哺乳類に対する感染性を増加させるような既知のアミノ酸変異は認められなかったため、ヒトへ感染する可能性は低いと推定されるとのこと。