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公益社団法人日本獣医師会は、第35回日本動物児童文学賞の審査結果を2023年9月に発表した。結果は以下の通り(敬称略)。
§大賞
- 「猫と戦争」
- まきうちれいみ(東京都)
§優秀賞
- 「ぼくがライフに出会うまで」
- 川瀬えいみ(東京都)
- 「シュガーにさようなら」
- 伊東葎花(茨城県)
§奨励賞
- 「カメ様の思し召し-ぼくのカメ飼育録-」
- タケルノミコトモドキ(東京都)
- 「おかえり リキ!」
- 横田善広(福島県)
- 「クリスマスホーリー」
- 名倉せてら(愛知県)
- 「「たかがペット」って言わないで!」
- こばやしきよ(群馬県)
- 「サヤのおはなし」
- 髙橋久美子(山形県)
発表された大賞の受賞理由は以下の通り。
戦争体験者の祖母と戦争を知らないひ孫との世代間でのペットへの扱いの違いは、動物愛護に関心を持つきっかけになると同時に、被災時のペットとの避難のあり方についても考えさせられる作品である。また、戦時下に幼少期を過ごした主人公が、国のために自身の飼い猫を献納したつらい体験をリアルに描写しており、戦時中特有の相互監視の雰囲気や、貧しい生活の中で国のために生きる様子は、子どもたちに過去の歴史について知ってもらうきっかけともなり得る作品である。戦争という重いテーマを扱っているが、祖母とひ孫との軽妙なやり取りによって、物語が重く悲しいだけでなく、バランスが保たれた読後感が良い作品となっている。