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太陽工業株式会社は、2023年7月、水をかけるだけで高耐久なコンクリートマットができる特殊セメント封入布「コンクリートキャンバス」の販売を開始した(参照:太陽工業株式会社ニュースリリース)。同社は、大型膜面構造物(テント構造物)や土木・物流資材などを手がけ、「コンクリートキャンバス」の獣害対策効果について実証実験を行ってきた。農地のイノシシなどによる掘り起しに対して保護効果があることが検証できたとして、同製品を獣害対策向け製品として、農地や公園、道路、地下ケーブルの管理者などを対象に販売する。
「コンクリートキャンバス」端部は鼻で持ち上げられないように溝を掘りアンカーピンで固定し、埋設。実験の結果、「コンクリートキャンバス」(厚さ7mm)は、防護柵・フェンス下のイノシシによる掘起し防御や、重要埋設物の掘起しに対する保護効果があることが確認された。
「コンクリートキャンバス」は、英国で開発された「ジオシンセティックセメント複合マット(GCCM:Geosynthetic Cementitious Composite Mats)」と呼ばれる複合材料。特殊配合のドライコンクリートを立体織物(表面:ポリエステル織布、裏面:塩ビフィルム)内に内包した構造で、敷設後に散水、または水中に浸けることでドライコンクリートが硬化し、薄く、高耐久で耐火性の高いコンクリート層を構築することができる。国土交通省の新技術情報提供システムNETISに登録され、これまでは法面保護工、防草防竹工、水路工、水路補修工などで多くの導入実績をもつ。