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■「ウクライナのペット救援募金」活用報告 アニコム

2023-06-02 17:51 | 前の記事 | 次の記事

左:オデーサの診療所、右:ハルキウの診療所(写真提供:IFAW)

『ブルーテント』で活動するAndrew Kushnirさん(写真提供:IFAW)

アニコム ホールディングス株式会社は、2023年5月23日、「ウクライナのペット救援募金」プロジェクト(2022年3月17日~4月18日実施)の報告を行った(プレスリリース:https://www.anicom.co.jp/news-release/2023/20230523/)。

およそ1万人の方々からの寄付金と、アニコムからの1,000万円を合わせた約5,600万円が、2022年5月にIFAW(国際動物福祉基金)に寄付された。寄付金のうち、これまでにおよそ半分の225,000米ドル(2022年5月の為替レートで約2,900万円)が、IFAWによる以下の支援プロジェクト推進のために活用された。

  • ウクライナ国内の5つのシェルターに対して緊急助成金を拠出し、破壊された施設の再建や獣医療の提供といった緊急のニーズに対応(53,500米ドル)
  • ウクライナ南部のオデーサと北東部のハルキウの獣医療施設を支援し、避難者や市民・シェルターのペットに対してワクチン接種とマイクロチップ装着、避妊・去勢手術を実施(171,500米ドル)。この取り組みで1.7万頭のペットが受診
  • オデーサの獣医療施設
  • ワクチン 2,608頭
  • マイクロチップ 2,644頭
  • 避妊・去勢 701頭
  • ハルキウの獣医療施設
  • ワクチン 4,784頭
  • マイクロチップ 5,001頭
  • 避妊・去勢 1,301頭
  • 総計17,039頭(2023年3月31日までの累計数)

残りの寄付金は、今後主に以下の目的で活用される予定。

  • USAVA(ウクライナ小動物獣医師会)と協力し、ペットやシェルターの保護動物に獣医療を無償提供
  • シェルターの保護動物たちに食料を無償提供

§現地でIFAWの支援を受けながら活動した獣医師のAndrew Kushnirさんからのメッセージ(要旨)

私はウクライナ人の血を引く獣医師です。戦争が始まった後、ウクライナとポーランドの国境に設置されたIFAWの活動拠点『ブルーテント』へ支援に向かいました。そこで目にしたのは、ポーランドに絶え間なく逃れていく避難者と、多くのペットの姿でした。避難の途中は食べ物も水もほとんど手に入らず、彼らは寒さと疲れ・恐怖に苦しんでいました。それでも彼らのペットを診療し、食料や水・ペットキャリー・寝具・衣服を提供したことは、ペットと避難者双方に大きな意味がありました。とあるボランティアは「恐怖に行き場をなくしたような表情の避難者たちが『ブルーテント』に入ると笑顔になり、ほんの少しリラックスした様子で出てくるのを見る」と話していました。それを聞き私たちは、ペットだけでなく、飼い主である避難者たちも助けていたと気づきました。だから、今回の寄付を下さった皆さまに感謝の気持ちを伝えたいのです。皆さまのおかげで、多くの活動が可能になりました。ウクライナの人々とペットを助けるために力を合わせてくれたことを、私は一生忘れないでしょう。

また、アニコムはウライナから日本に避難した方々とそのペットへの支援も行っており、これまでに3組の避難者とペットに対して、ペットにかかる医療費などを支援した。