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心電図解析サービス「kokoromil」を提供する株式会社ココロミルは、2023年4月24日、医療用生体モニターでのペットの心疾患・呼吸器疾患の病態診断支援や心不全発症の早期予知の将来的な実現を目指して、麻布大学、東洋紡株式会社、東洋紡STC株式会社と共同研究を開始すると発表した。飼い主の家庭における心電図検査の一般化を目指す。
株式会社ココロミルは共同研究において、動物にとってストレスのない家庭環境での検査の促進を目指し、小型の心電計および呼吸センサ、解析AIの開発を行う。動物病院内のモニタリングだけでなく、在宅でも犬と猫の心不全の予兆検知に活用できるよう、東洋紡社の専用ウエアと共に負担の少ない超軽量のデバイスとソフトウェアの開発を進める。
- 共同研究概要:動物用ウェアラブル生体情報モニタリング・デバイスおよび計測アルゴリズムの開発および動物用ウェアラブル生体情報モニタリング・デバイスを用いた病態診断支援システムの開発
- 研究開始日:2023年4月1日
§麻布大学 青木卓磨先生のコメント
循環器・呼吸器科(内科・外科)診療科長/小動物外科学研究室 准教授 博士(獣医学)
心臓病のワンちゃんは、呼吸が苦しくなる前に呼吸数や咳が増加したり、体重が少し減るなど、わずかなサインを示してくれることが分かっています。ただ、ご家族であってもそれらの軽微なサインに気付けないことがあります。麻布大学では、これまでご家族にご自宅で呼吸数を測定してもらって内服薬を調整するなどしてきましたが、ご自宅での呼吸や咳の測定には限界がありました。そこで今回、共同研究メンバーと共に客観的に呼吸数や咳の数が測定できるデバイスの開発を試みています。これまでは心電図検査だけでしたが、同時に活動量や呼吸数が分ることは、ご自宅の状況だけではなく、術後管理においても大いに有用となるツールとなると思っています。