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■ベーリンガーインゲルハイム が業績発表 アニマルヘルス事業は将来への基盤強化

2023-05-12 12:20 | 前の記事 | 次の記事

ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン株式会社の代表取締役社長の長谷部裕之氏

ドイツに本社をおくベーリンガーインゲルハイムは、2023年3月29日、2022年の業績に関する記者会見を現地で行った。オンラインで各国からも参加ができた。また4月20日には日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社、ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン株式会社およびべーリンガーインゲルハイム製薬株式会社が、東京の会議室およびオンラインで2022年の業績を発表した。これらの業績発表会は毎年行われている。

§グローバル

売上高は241億ユーロ(約3兆3,257億円)、前年同期比10.5%増(現地通貨ベース)。グループの営業利益は、48億ユーロ(約6,624億円)、前年同期比1.4%増となり、税引後利益は、32億ユーロ(約4,416億円)であった。研究開発費は、50億ユーロ(約6,900億円)に達し、売上高に占める割合は21%となった。

アニマルヘルス事業は、北米の景気後退や、中国における豚用ワクチンの競争激化による売上減の影響を反映した結果となった。売上高は46億ユーロ(約6,348億円)で、現地通貨ベースでは2021年並み。犬用の寄生虫駆除薬であるネクスガードは、ブランド全体で前年同期比8.0%増(現地通貨ベース)となり、業界初の年間10億ユーロ(約1,380億円)超の売上を達成した。

アニマルヘルス事業の研究開発投資は、2022年の売上高の10%に相当する4億6400万ユーロ(約640億円)となり、業界平均を大きく上回った。アニマルヘルス事業においては、犬と猫用の新たな寄生虫駆除薬や猫用の2型糖尿病治療薬など、2023年以降に約20の新製品上市を予定している。

§日本

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社の売上は、2,168億円(薬価ベースで前年比4.1%増)。「ジャディアンス ファミリー」と抗線維化剤の「オフェブ」が業績を牽引した。

ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン株式会社は、市場における競争の激化と、グローバル規模の供給課題の影響を受け、売上223億円(卸売出荷ベースで前年比5.1%減)となった。同社の約80%を占めるコンパニオンアニマル分野では、主力の犬・猫用寄生虫駆除薬が堅調に推移。同市場で同社製品群は50%を超えるマーケットシェアをもつ。犬・猫用駆虫薬の「ネクスガード ファミリー」は、主軸製品の犬用オールインワン駆虫薬「ネクスガード スペクトラ」を中心に卸出荷ベースで110億円(前年比1.3%増)となった。

2022年11月には、「ネクスガード ファミリー」から初の猫用薬剤となる「ネクスガード キャット コンボ」が発売、成長の土台を強化している。

また、2022年9月には、テルミサルタンを有効成分とし、猫の慢性腎臓病および高血圧症の2つを1剤で治療できる「セミントラ 10㎎/mL 経口液 猫」を発売している。同製品は、猫の全身性高血圧症の適応を有する日本初の治療薬。

ライブストック分野では、2022年5月には細菌性肺炎を適応症とする牛用抗菌剤「ザクトラン」を発売し、主力の豚分野では2022年8月に飼養豚の咳音検知および豚舎環境のモニタリングシステムの「SoundTalks」の全国展開を開始している。

ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン株式会社の代表取締役社長の長谷部裕之氏は、売上高がマイナスになった要因は競争の激化とし、2023年もコンパニオンアニマル分野の駆虫および豚のワクチンにおけるリーディングカンパニーの位置を維持し、成長を見込んでいると述べた。