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■データで見る熱中症 アニコム

2023-05-01 15:06 | 前の記事 | 次の記事

熱中症の月別診療件数。2022年1月~2022年12月の保険金請求データを月別に集計。

熱中症の犬種別請求割合と年間平均診療費。2021年1~12月に保険の始期を迎えた犬724,687頭のデータを集計。犬種は1,000頭以上契約があったもののみを抽出。

アニコム損害保険株式会社は、2023年4月27日、アニコム損保の保険金請求データの解析による犬と猫の熱中症に関する情報を発信した。同日に「犬の熱中症週間予報」「猫の熱中症週間予報」の配信も開始している(参照:JVM NEWS 2023-04-28)。

2022年は夏の平均気温が観測史上2番目に高く、また6月下旬から7月上旬にかけて記録的な暑さとなったこともあってか、6~7月の熱中症件数は前年よりも多くなった。特に記録的な暑さが続いた7月の診療件数が、犬・猫ともに最多となった。

2021年と同様に、4~5月にかけて診療件数が増加する傾向が見られた。朝晩の寒暖差や前日との気温差が大きいこと、まだ身体が暑さに慣れていないことなどにより、暑さが比較的穏やかなゴールデン・ウィーク前でも熱中症が多く発生している。

犬種ごとの請求割合をみると、フレンチ・ブルドッグやパグなど、鼻の長さが短い短頭種や、バーニーズ・マウンテン・ドッグ、ラブラドール・レトリーバーなどの大型犬が高くなっている。

熱中症の治療にかかった費用は、通院の場合の平均は犬が1.7万円、猫は1.6万円。熱中症にかかると、脱水を補うための点滴や、ショックを防ぐためのステロイド薬投与のほか、呼吸状態に問題がある場合は酸素投与などが必要となる場合がある。こうした治療はペットの命を守るために必要である一方で、診療費が高額になることもある。入院が必要な場合は、診療費がさらに高くなる。ペットが辛い思いをするだけでなく、家計への負担も小さくない。