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■「明治から令和における動物の病気の移り変わり」動物医療センターPeco獣医療研究所と東京大学が共同研究の成果を発表

2023-03-10 17:40 | 前の記事 | 次の記事

病理解剖動物種の移り変わり

動物医療センターPeco獣医療研究所を運営する株式会社PECOと東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻は共同で、東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻獣医病理学研究室に1902年から蓄積されている動物病理解剖記録を解析し、動物病理解剖症例の変遷から、明治から令和にかけての動物の病気の移り変わりを明らかにし、論文発表した。2023年2月13日にはそのプレスリリース「日本における動物病理解剖症例の変遷-明治から令和における動物の病気の移り変わり」を発表した。

病理解剖した動物の比率

  • 1903年~1914年(明治~大正期)
  •  犬44.6%、馬34.8%
  • 1956年~1969年(昭和期)
  •  犬62.9%、猫17.3%
  • 2006年~2020年(平成~令和期)
  •  犬46.0%、猫26.1%、エキゾチック動物など20.5%

時代が下るにつれ、動物種の数が増加し、飼育される犬種、猫種も多様化した。

病理解剖年齢の中央値は、犬は明治-大正期が2歳、昭和期が3歳、平成-令和期が10歳、猫は昭和期が2歳、平成-令和期が10歳と、時代とともに高齢化していた。

また、寄生虫感染を含む感染症の症例が著しく減少、腫瘍の症例が増加した。

これは動物の飼育技術・環境衛生および獣医療技術の向上、ワクチンや抗寄生虫薬の普及により、動物の寿命が伸びたためと考えられた。

§発表論文