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ペットの予防医療の啓発・普及活動を展開する獣医師団体の一般社団法人Team HOPEは、2023年2月6日、「ペットの健康管理に関する実態調査」の結果を発表した。犬と猫の飼い主・ご家族(以下、ご家族と表記)412名を対象に実施したもの。この調査は2016年から毎年実施されている。
§調査概要
- 方法:インターネット調査
- 調査対象:犬、猫のご家族412名(全国、20歳以上)
- 内訳:犬のご家族206名(犬の年齢7歳未満103名、7歳以上103名)、猫のご家族206名(猫の年齢7歳未満103名、7歳以上103名)
- ※複数飼っている場合は最年長のペットのご家族とみなす
- 実施期間:2022年12月9日~10日
§調査結果の概要
- 定期的な健康診断を受診させているご家族は、犬は55%、猫は40%と増加が続く。2016年は犬39%、猫24%で、犬・猫ともにこの6年間で16ポイント増加した。猫の受診率は伸長しているものの、犬に比べて低いため、さらなる啓発が必要。
- 定期的な健康診断の受診頻度は、1年に1回程度が55%を占める。1年に2回程度が25%、1年に3回以上は18%。1年に2回以上が43%を占め、2016年と比べて7ポイント増加し、歳をとるのが早い犬や猫にふさわしい頻度での受診が増えている。
- 受診のきっかけは、「動物病院ですすめられて」が50%と圧倒的に多い。ワクチン接種やフィラリア予防でその際にすすめられたのがきっかけになったと考えられ、動物病院による健康診断啓発の成果があがっている。
- 健康診断についての考え方で、「お金がかかってもペットの健康のために健康診断を受けさせたい」と考えるご家族は53%。2016年は39%で、14ポイント増加し、ペットの健康管理に意識の高いご家族が増えている。
- 定期健康診断で受診している項目は、問診・触診・視診が約8~9割。血液検査は7割、聴診が6割。泌尿器や消化器、内臓疾患の発見に役立つ、尿検査・便検査・レントゲンは2~3割の受診にとどまる。全身状態を把握するためには、尿検査・便検査・レントゲン検査まで受けることが今後の課題。
- 健康診断で病気や異常が見つかった経験は27%。7歳以上では、犬40%、猫32%が見つかっており、リスクが高まるため、若い年齢からの健康診断受診による早期発見が重要。
Team HOPEでは、2021年に2月22日(にゃんにゃんにゃん)を「猫の健康診断の日」に制定。2月1日~28日には賛同動物病院で「猫の健康診断キャンペーン」を実施した。