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災害時獣医療支援チームである「東京VMAT」が2023年1月22日に設立され、第1期の隊員の任命式が同日、都市センターホテルで行われた。
VMAT(Veterinary Medical Assistance Team)は、災害時に被災地における獣医療支援などを行うために専門的な教育を受けた、獣医師を主体として組織されたチーム。公益社団法人福岡県獣医師会が福岡VMATを2013年に設立して以来、公益社団法人群馬県獣医師会、公益社団法人大阪府獣医師会、公益社団法人北九州市獣医師会、公益社団法人鹿児島県獣医師会、公益社団法人岡山県獣医師会などで設立されている。活動内容は各獣医師会によってそれぞれである。
東京VMATは、公益社団法人東京都獣医師会(会長 上野弘道先生)の危機管理室が統括する組織として設立され、第1期の隊員は18名。任期は定められていない。危機管理室長は会長の上野弘道先生が務め、防災セクション長の磯 洋一先生、危機管理室情報統括の藤本順介先生、災害担当役員の髙橋恒彦先生らが中心となって、これから活動内容、被災地への派遣要請の流れや看護スタッフとの連動など細部を決めていく。まずは提案された活動内容は以下の通り。
§局地災害
- 被災状況調査
- 連絡体制の確立と情報共有
- 現地動物病院支援
- 被災現場での動物救護活動
- 災害救助犬支援
- 被災地と飼い主のいる被災動物支援
§広域災害
- 情報の収集と共有
- 本部機能支援
- 動物救護活動支援
- 避難動物管理支援
- シェルター管理支援
- 公衆衛生サポート
東京都獣医師会には28の地域支部があり、それぞれが市区町村と災害時の協定を結んでおり、地域内での災害時対応がとれる体制となっている。今回の東京VMATの設立により、被害が少ない地域から被害の大きい地域への支援など、東京都全体としての対応がとれる体制となる。東京都獣医師会は東京VMAT隊員への補償として、社会福祉協議会のボランティア活動保険に加入する。今後ユニフォームも作られる。
また公益社団法人日本獣医師会の「災害獣医療認定獣医師」の資格認定の制度の設置が進行しており、東京VMATの隊員はその資格認定も取得していく予定。
VMATの活動は共助、互助によるものである。実働、活動資金、連携、物資の配分など、救援・援助を行う側も受ける側も東京都獣医師会の会員同士であった方がよりスムーズであろう。互いに助け合う体制をより強固にしていくために、未入会の先生方は獣医師会の会員になることが望まれる。
§東京VMAT 第1期隊員
- 斉藤勝之先生(新宿支部)
- 髙橋恒彦先生(新宿支部)
- 谷川久仁先生(中野支部)
- 石森斉子先生(江東支部)
- 安田辰巳先生(江戸川支部)
- 磯 洋一先生(足立支部)
- 名川一史先生(練馬支部)
- 藤本順介先生(武蔵野三鷹支部)
- 中川清志先生(北多摩支部)
- 木村 譲先生(多摩東支部)
- 中島 豪先生(多摩東支部)
- 河合博明先生(八王子支部)
- 斉藤朋子先生(八王子支部)
- 植松一良先生(多摩西支部)
- 木村章子先生(多摩西支部)
- 清野光司先生(多摩西支部)
- 入交眞巳先生(動物薬事支部)