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宮崎大学農学部は、一般財団法人日本GAP協会(以下、日本GAP協会)の承認審査を経て、JGAP指導員資格の取得や更新が可能な研修機関として2022年9月29日付けで承認された。国内の教育研究機関では初めてのこと。
GAP(Good Agricultural Practices)とは、農業生産活動において食品安全、環境保全、労働安全に関するリスクを低減し、農業の持続可能性を確保するための取り組み。このGAPの中には、審査員が取り組み状況を審査し、認証を与える認証制GAPがある。GAP認証を受けた農産物は、持続可能な農業により生産された農産物として、東京オリンピック・パラリンピックで選手村などの食材として使用されたり、小売店などのSDGsの取り組みの一部として扱われたりするなど、需要が高まっている。
GAP認証を取得するためには専門知識が必要であり、農業者のみで取り組むことは困難な場合がある。そのため、取り組みを指導する人材として「JGAP指導員」が養成されており、農畜産業において活躍の場を広げている。
宮崎大学農学部では、2011年より4年間をかけて学生を対象としたGAP教育プログラムを構築し、現在も継続して実施している。この中で、農学部附属フィールド科学教育研究センターの木花フィールド(農場)および住吉フィールド(牧場)がGAP認証を取得し、学生教育へ活用してきた。近年では、学生教育だけでなく、多くの学外者向けの研修も行っている。
この度、日本GAP協会公認研修機関として認定されたことにより、JGAPおよびASIAGAP認証に必要な知識の習得ができ、指導員資格の取得も可能な研修を実施できるようになる。実施できる研修は、農産および畜産それぞれに対応した【JGAP指導員基礎研修】【JGAP団体認証研修】【JGAP指導員現地研修】と農産のみを対象とした【ASIAGAP基礎差分研修】の7種類。
これらの研修は、農学部学生だけではなく、学外者も受講が可能であり、GAPを学んだ学生の輩出に加え、地域のGAP普及にこれまで以上に貢献できるようになる。
西日本最大級の大学附属牧場施設である住吉フィールドは、これまで2期10年間にわたり文部科学省の認定制度である教育関係共同利用拠点に認定されていたが、3期目の令和5年度からの5年間についても再度認定された。教育関係共同利用拠点制度は、大学の施設を他大学の教育に提供することによって大学教育全体として多様かつ高度な教育を展開していくことを目的としていて、農場では全国で8大学が認定されている。住吉フィールド(牧場)は「九州畜産地域における産業動物教育拠点」という名称で、上記のGAP実習や今後はDXを取り入れた実習が同大学の学生のみならず他大学の学生にも提供される。
- 宮崎大学報道発表:「国内初!農学部が日本GAP協会公認研修機関に認定」(2022年10月25日)