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■養殖魚自動尾数カウントシステム「MagicCounter」株式会社AquaFusion

2022-12-22 12:20 | 前の記事 | 次の記事

マジックカウンター

株式会社AquaFusionは、2022年12月19日、養殖生簀の魚の尾数を自動でカウントする「MagicCounter」の全国販売を開始した。

養殖漁業では、生簀内の養殖魚の密度を適切に保つため、養殖魚が成長すると、元の生簀から他の生簀に魚を移す「分養」という作業を行う。分養を正確に行い、生簀内の密度を生育に適した状態に保つためには予定した個体数を確実に分養する必要がある。しかし、移動する養殖魚の個体数を目視で把握することには限界があり、正確に分養することができずに作業のやり直しが発生することが多く、養殖漁業における大きな課題の1つとなっていた。

「MagicCounter」は、生簀と生簀の網を繋いでつくった魚道(通過枠)に超音波の送受波器を設置することで、通過する魚の個体数を海中でカウントするとともに、洋上でリアルタイムに確認できるシステム。リアルタイムで生簀間を移動した魚の数を自動カウントでき、作業が大幅に効率化できる。

従来、生簀の中の魚の確認は水中カメラを利用した方法が主流。しかし、カメラでは魚の重なりや海中のにごりなどの環境要因により正確な計測が困難である。

同社は、超音波式での計測方法を採用し、独自技術「FINE Technology」(高頻度超音波送信センサーと、魚体識別アルゴリズム:特許取得)を応用することで、水質の影響を受けず、魚が密集した状態でも魚1匹1匹を個体識別し正確に個体数をカウントすることを実現した。

また、超音波を使った方法も海中をくまなくセンシングするには非常に大掛かりな装置が必要となり、コスト的に製品化が難しい状況であった。しかし、新たな技術により、部分的に海中を計測すれば、非計測のエリアも含めた全体の個体数を正確に推計することに成功し、製品化を実現した(特許出願中:特願2022-189848)。現時点の計測誤差は平均約10%以内で、分養を実施するうえで十分な精度を確保している。

特長:

  • 機器をセットしたら、PCでアプリを起動しボタンを押すだけで簡単に計測することが可能。
  • 表示画面は余計な情報をそぎ落とし尾数のみを表示。PCを機器本体に収納して使うことも可能。
  • 計測した魚の尾数をステップ毎(200尾~1,000尾の間で設定可能)に音声で知らせる機能もあり、計測中に他の作業をすることも可能。
  • 導入前に必ずカウンセリングを行い、生簀や魚種にあった機器の微調整を行い納品。
  • 機器導入後も1年間無料(実地・遠隔)でサポート。より精度の高い計測が実現できるようサポート。