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「農林水産政策研究」(農林水産政策研究所 発行)の最新号(第37号、2022年11月)に、福山大学の上林篤幸先生による研究ノート「中国でのアフリカ豚熱発生が国内と世界の豚肉及び大豆マーケットに及ぼす影響の計量シナリオ分析」が掲載された。その概略は以下の通り。
中国で豚肉は国民の食生活の中で重要な部分を占めている。同国の豚飼養頭数は世界最大であり飼料用大豆はほぼ全てを輸入に依存している。ASF(アフリカ豚熱)は伝染性と致死率の両方が非常に高いことから殺処分以外の対策はまだ存在しない。同国では2019年から大規模な殺処分が実施され豚の飼養頭数が激減し、豚肉価格の高騰のみならず大豆の輸入量減少が発生した。
本研究ではこれらのASFショックがもたらす今後の影響を評価するために新たに部分均衡モデルを開発。養豚業の回復速度に関する2種類の前提シナリオを設定してシミュレーションを行い、豚肉・大豆に関する中国や国際マーケットへの影響を定量的に考察した。
(農林水産政策研究所ニュ-スNo.309、2022年11月29日)