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第22回護蹄研究会学術集会が、2022年10月29日と30日の2日間にわたり、日本獣医生命科学大学で対面で行われた。同会は牛蹄の健康管理と蹄病の診断・治療・予防に関する知識と技術の錬磨や啓発を目的としている。獣医師と削蹄師が一堂に会する場となっており、久しぶりの現地開催に100名以上が集まった。阿部紀次会長は冒頭の挨拶で、沢山の方が集ったことに謝意を述べた。
発表された演題と発表者は以下の通り(敬称略)。
§基調講演
- 顧客牧場における護蹄アプローチ
- 濱田将臣(株式会社ボーバインベットサービス)
- 蹄病制御の現状と今後
- 中村聡志(株式会社ノースベッツ)
§国際蹄病学会(2022年8月1日~5日、米国ミネソタ)報告
§話題提供
- 新しい削蹄法の試み
- 沖田太一(有限会社ライズ)
§一般講演
- CT画像によるホルスタイン雌牛の適正蹄背壁長の検討
- 守 哲平(岩手大学)
- 深層学習による牛蹄の削切領域判別方法の検討
- 守 哲平(岩手大学)
- 牛の抗菌性蹄ソックスの開発と装着効果の検討
- 磯 日出夫(磯動物病院)
- 下腿部筋損傷・起立不能状態から回復した肉牛の1症例
- 伊藤ひまり(酪農学園大学)
- 有孔ラバーマットの可能性
- 阿部紀次(株式会社トータルハードマネージメントサービス)
- 乳牛の同一肢両側蹄角質疾患に対する部分的蹄底ブロック装着とキャスト固定の併用療法
- 菊池允人(NOSAI千葉)
- 初産牛の蹄角質疾患とゲノム情報との関連
- 中村聡志(株式会社ノースベッツ)
- 乳牛の同一肢に生じた内外蹄病変に対してハーフリムキャストを行った13例
- 鳥羽雄一(知多大動物病院)
- ホルスタイン種成乳牛における削蹄前後の歩行運動解析
- 佐藤綾乃(酪農学園大学)
- ホルスタイン種育成牛の趾皮膚炎多発農場における治療効果の検証
- 角田偵徒(酪農学園大学)
- 自作鎌型蹄刀の耐荷重試験について
- 久津間正登(有限会社久津間装蹄所)
- 蹄ブロックの失敗例
- 沖田太一(有限会社ライズ)
- 市販虫除けスプレーによる牛体への忌避効果
- 中野目正明(福島県装蹄師会)
- 護蹄研究会の削蹄法私案
- 眞鍋弘行(削蹄塾わたりがらす)
「話題提供」では、沖田太一先生がKarl Burgi先生が推奨する削蹄法の実証結果を発表した。その方法は負面と蹄壁を垂直にすること。蹄の安定性が増し、蹄病のリスクを減少したとのこと。活発な質疑応答があり、会場からは「試してみます」との発言もあった。