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永田雅彦先生が、2022年9月1日、旧知の工藤美保先生と園田祐三先生とともに合同会社sasaeを創業し、「獣医師向け視聴する実用書」とうたう「ASCK」をスタートさせる。工藤先生は、株式会社V and Pの創業者で、現在は同社の役職をすべて退任。現在は一般社団法人どうぶつ予防医療協会 代表理事。園田先生は、動物病院47グループ代表。
「ASCK」はオンラインの教育システムで、技術、知識に対する獣医師の不安を解消できる水準に導くのが狙い。かつ従来にない使いやすさで、スマートフォンでも懸念無く学べることができる。伴侶動物医療にかかせないコンテンツになることを目指す。
「ASCK」には以下のような特長がある。
- 国際水準の経験豊かな講師陣
- 内容はコンパクトでかつ体系的な臨床情報
- 1科目約6時間で、計23講座
- 1動画は約1時間で、隙間時間で学習できる
- マイリストとチャプター機能で、診療や飼い主への説明に活用できる
- プログラムは「必須」「治療」「スキルアップ」「サイエンス」の4カテゴリー
- コミュニティー機能
合同会社sasaeはASCKの開講に先立ち、8月24日、記念講演会を赤坂インターシティコンファレンスで行った。司会進行は工藤美保先生が務め、永田雅彦先生による代表挨拶・講演の後、永田雅彦先生の座長で赤坂動物病院名誉院長の柴内裕子先生の講演が、次いで園田裕三先生の座長で経営コンサルタントによる講演が行われ、最後に記念撮影で締めくくられた。
柴内裕子先生は、子供の頃からの自身の経験を語られた。当時は豊かな自然の残る東京の代々木で育ち、獣医師への道を歩まれるが、その根底には、第二次世界大戦時に大型犬が軍徴用されたことで飼っていたシェパード、ポインターを失ってしまったこと、空襲で飼っていたチャボが3羽の雛を抱えて丸焼けになったことがある。日本大学の獣医学科に入学した最初の2名の女性のうちの1名であり、日本最古の女性獣医師として、日本大学の助手、動物病院の手伝い、院長と歩まれた。現在の日本動物病院協会(JAHA)の第4代会長として伴侶動物医療レベルの向上に貢献するとともに、CAPP活動を創設し牽引してくるなど、常に社会貢献に務められてきた。その歩みは伴侶動物医療の進展と社会的な広がりそのものである。「犬や猫と暮らすと良いこと一杯の社会を実現」という使命に今も取り組み、CAPP活動の継続や新たな付添犬の実施などのほか、施設・乗り物に飼い主と動物のペアがスムーズに利用できる取り組みである「優良家族パスポート」を発行し、各社へ参加の呼びかけも行っている。「私たち獣医師は社会のどこを支えているのか」を念頭に、「獣医師は地球上、すべての命の責任者だと思って、これから取り組んでいって欲しい」と述べた。
過去からこれからのあるべき姿につながる柴内先生の大いなるメッセージ、そして経営コンサルタントにより動物病院経営の指針が示され、開講記念大会にふさわしい講演会であった。
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