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街角をうろつく犬の姿をみると郷愁を感じてしまうのは自分だけだろうか。子供のころは放し飼いの犬、野良犬がうろついていた。犬はきちんと管理されていたほうが幸せというのはもちろん理解しているが、映っている犬たちが不幸そうにもみえない。この映画はタイの映画である。以前紹介したタイ映画(参照:JVM NEWS2020-12-08)にも街角の犬の姿がある。その姿になごむ人も多いことを示しているのではないだろうか。
さて、映画のストーリーを紹介する。NYでバーを経営するボスに、タイで暮らすウードから数年ぶりに電話が入る。白血病で余命宣告を受けたウードは、喧嘩別れしていたボスに最後の頼みを依頼する。タイに駆け付けたボスは、元恋人たちを訪ねる旅の運転手を引き受ける。女性たちとの様々な形の再開が繰り広げられる。
友情と友への憐憫や引け目、恋愛、そして儚い人生が描かれる。ノスタルジックな音楽も相まって、とても心地よい映画である。
主題歌は日本でも活動するバンコク出身のシンガーソングライターのSTAMP & Christopher Chuの「Nobody knows」。そのほかにも、エルトンジョン、フランクシナトラ、キャットスティーブンス、ザ・ローリングストーンズなどの懐かしい曲が流れる。
なお、裕福なボスの親の住まいとなっているホテルで飼っているフレンチブルドックは監督のバズ・プーンピリヤの愛犬とのこと。
- 公開表記:2022年8月5日(金)新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、渋谷シネクイント他全国順次公開
- コピーライト・配給:ギャガ
- 監督:バズ・プーンピリヤ『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』
- 製作総指揮:ウォン・カーウァイ『花様年華』『恋する惑星』
- 脚本:バズ・プーンピリヤ、ノタポン・ブンプラコープ、ブァンソイ・アックソーンサワーン
- 出演:トー・タナポップ、アイス・ナッタラット、プローイ・ホーワン、ヌン・シラパン、ヴィオーレット・ウォーティア、オークベープ・チュティモン
- 原題:One For The Road/タイ/2021年/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/129分/字幕翻訳:アンゼたかし/監修:高杉美和