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第43回関東しゃくなげ会研修会が、2022年6月17日、上野精養軒とオンラインで行われた。2020年度は中止、2021年はオンラインのみの開催だった。今回、会場には50名以上が、オンラインでは300名以上が参加した。
研修テーマは「牛に優しいお産について考える」。座長を日本大学の住吉俊亮先生がつとめた。まず同大学の大野真美子先生が「子牛から見た分娩の問題」のテーマで、次いで株式会社石井獣医サポートサービスの石井三都夫 先生が「牛のためのお産 もしあなたが牛だったら…」のテーマで講演した。
座長の住吉先生は冒頭で、牛の出産現場で飼養者から質問を受けても経験的なことで答えてしまうことが多い。周産期、乾乳期の管理が大切と分かっていても目が行き届かないこともある。初心に帰り、今日の講演で学びなおしていただきたいと述べた。
大野先生は、子牛出生時の事故の発生状況、子牛の肋骨骨折の発生状況、肋骨骨折が起きた際の状態や発育への影響について述べた。出生時の肋骨骨折の発生率は6~11%であるが、分娩介助により発生率が上昇する。無理な牽引は注意が必要。
石井先生は、獣医師が知っておくべきお産に関わること全般を分かりやすく解説した。
しゃくなげ会は日本全薬工業株式会社がバックアップして、産業動物分野の卒後教育を継続して行っている団体。