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■アニコムがセルソースと業務提携 動物医療での再生医療分野の事業拡大へ

2022-06-14 12:27 | 前の記事 | 次の記事

アニコム ホールディングス株式会社は、2022年6月13日、ヒト再生医療関連事業を展開するセルソース株式会社と業務提携したと発表した。

この業務提携により、動物医療領域での血液加工技術等を利用した治療法をはじめとする再生医療等関連事業において、以下の取り組みを行う。

  1. 血液加工技術等を利用した動物向け治療法の開発
  2. 動物向け次世代再生医療の検討および開発等

まずはイヌ由来の血液加工技術等の確立と、当該技術の実用化・普及を目指す。さらに血液加工技術等を利用した治療方法以外の次世代再生医療技術の開発や、高度先進医療に対応した保険開発も検討していく。

現在、一部の動物医療機関で動物向けの血液由来成分を用いた治療法として「PRP(多血小板血漿)療法」が行われている。PRPには血小板から放出される種々の成長因子等が含まれており、関節炎や創傷部位等の局所に投与することで、組織の修復や機能改善といった様々な効果が期待されている。ただし「採血したその場で血液を加工し、PRPを作製する」必要があったことから、動物医療機関での手間が非常にかかる。また自家投与(自分の血液を使う)が基本であるためにPRPの品質が当該動物の状態に依存してしまい、望まれる効果が得られないこともある。

一方、セルソースがヒト医療向けサービスにて提供している血液加工技術は、PRPからさらに成分の濃度を高め、フリーズドライ加工によって室温での長期保存を可能にするもの。そのため、今回の業務提携により動物医療への当該技術を応用し、新たな治療法の開発・製品化が進めば、動物医療機関で一定の効果が期待できる品質を担保した上での他家投与(他の個体の血液を使う)も可能になり、治療の選択肢や利便性を向上させることができると考えられる。