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■WSAVA-ENOVATとWSAVAが抗菌薬の臨床ガイドラインに関して協力 獣医療での抗菌薬を用いた治療に関する情報不足に協同して立ち向かう
WSAVAプレスインフォメーション 2021年9月3日
翻訳:WSAVA the Translation Committeeメンバー 安田隼也(獣医師)
The European Network for Optimization of Veterinary Antimicrobial Treatment(ENOVAT)と世界小動物獣医師会(WSAVA)は、エビデンスに基づいて抗菌薬を用いた治療を最適に行うための伴侶動物臨床向けのガイドラインを策定し普及するために協力する。
ENOVAT は、獣医領域で抗菌薬を最適に使用すること、特に抗菌薬の治療ガイドラインの策定と微生物学に関わる診断手順の改善に特に力を入れている。European Cooperation in Science and Technology (欧州科学技術協力:COST)によって設立されたENOVATは、European Society of Clinical Microbiology and Infectious Diseases’(ESCMID) Study Group of Veterinary Microbiology(ESGVM)と協同して現在までに以下の2つのガイドラインを策定した。
- 犬の急性下痢に関する一連のガイドライン
- 伴侶動物における外科的予防における抗菌薬の使用に関する一連のガイドライン
協同するにあたって、WSAVAがそのメンバー組織からのフィードバックを提供し、ガイドラインの内容が世界的に妥当かどうかを知らせる役割を果たすことが規約に定められた。加えて、WSAVAはガイドラインを様々な言語に翻訳することや重要なポイントを補うための魅力的で分かりやすい解説画像の作成をサポートする。WSAVA Therapeutics Guidelines Group のメンバー2名(会長のDr.Luca GuardabassiおよびDr.Scott Weese)が本件に尽力する。
The WSAVA’s Therapeutics Guidelines Groupは世界的な専門家が集まったチームで、伴侶動物に対する薬剤の使用について責任を負い、One Healthに関する利害関係者との関係を持ちWSAVA global communityにも参加している。この活動はZoetisから援助を受けている。
WSAVAが新しいガイドラインをサポートすることについてDr.Guardabassiがコメントを寄せた。
伴侶動物に対して合理的に抗菌薬を使用するためのエビデンスに基づいたガイドラインを獣医師に提供することは重要であるので、非常にタイムリーなコラボレーションです。
WSAVAはガイドラインの中でも重要な文書を普及させ、世界中の一般臨床獣医師という幅広い層にとって利用しやすく分かりやすく作り上げていくために大きな役割を果たすことを願っています。
ENOVATのChair of the Guidelines initiativeであるDr.Lisbeth Rem Jessenもコメントをよせている。
ENOVATにとってのゴールは、抗菌薬の適正使用を推し進めつつ、獣医療分野で動物をケアするためのベストな選択肢を提示することです。
Dr.Jessenはこれに加えて、ガイドラインが成功するためには臨床獣医師が果たす役割が大変重要になること、WSAVAとの協力関係がエンドユーザーとのギャップを埋め合わせてくれるために重要であることを強調した。
付記:
WSAVAは115のメンバー組織を通じて世界中の20万人以上の獣医師を代表し、伴侶動物医療の水準向上に努めている。核となる活動には、栄養学、疼痛管理、ワクチネーションといった重要な分野におけるWSAVA Global Guidelinesの策定のほか、世界中の伴侶動物医療に影響を与える重要な案件に関するロビー活動を行うことである。
ENOVATは欧州34か国・それ以外の地域の9か国の240以上の利害関係者による欧州科学技術ネットワークに入っている。利害関係者には、微生物学者、臨床獣医師、製薬会社、コミュニケーションの専門家など様々なエキスパートが参加し、動物に対する抗菌薬の適正使用を、診断手順の洗練や抗菌薬を用いた治療のガイドラインを策定することを通じて行っている。
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- Rebecca George,George PR
- Tel 01449 737281/07974 161108
- E-mail rebecca(アットマーク)georgepr.com