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■論文投稿 ハゲタカ出版に注意

2021-03-31 17:11 | 前の記事 | 次の記事

日本畜産学会第128回大会(2021年3月27日~30日、オンライン、会場:九州大学)において「ハゲタカ出版社の誘惑と不正から研究を守るために」をテーマとしたセミナーが開かれた。

演者は、ワイリー・パブリッシング・ジャパン株式会社の武田資子さん、座長は、機関誌編集委員長の菊地和弘先生(農研機構 生物機能利用研究部門)と副編集委員長の中島郁世先生(農研機構 畜産研究部門)が務めた。

ハゲタカ出版とは、オープンアクセスの学術誌において論文処理料や掲載料を得ることのみを目的としたWebサイトを運営している発行元。10年以上前に出現し、研究者に直接E-mailで投稿を勧誘することが多い。査読がほとんどなく、短期に簡易に掲載されるが、偽りのインパクトファクターを謳うなど掲載の価値のないものがほとんど。突然Webサイトが閉鎖され、投稿・掲載の事実さえなくなってしまうこともある。また、他誌でリジェクトされたものを、業績を要求されるプレッシャー等のためか、当該Webサイトの問題性を知りながら投稿してしまう場合もあるようである。しかし、掲載されることで投稿者のみならず所属機関の信頼性が損なわれることもある。一旦投稿すると、取り下げはほぼ不可能であり、通知・了承なしに掲載されてしまうこともある。

投稿先の判断の目安はDOAJIに登録されていることとブラックリストにないこと。既存の正当なJournalと同じ誌名もあり、投稿に迷う場合は、共同研究者への確認、まわりの方への確認、指導研究者への相談が必要である。ワイリー社でもE-mailでの投稿案内を行うことはあるが、投稿勧誘のE-mailに対しては慎重に対応すべきである。特にクレジット情報の入力は絶対に避けなければならない。

正当なオープンアクセスのJournalの掲載料が高額なことへの対応策として、投稿に助成を行っている国もあり文部科学省等の関係機関とも理解を深めていきたいとの論議もあった。

武田さんは投稿にあたっての注意事項やハゲタカ出版社の実態など以下のWebサイトなどを参考にして述べた。