JVMNEWSロゴ

HOME >> JVM NEWS 一覧 >> 個別記事

■ニホンジカとイノシシの減少続く

2021-03-16 15:13 | 前の記事 | 次の記事

環境省は、2021年3月2日、2020年度のニホンジカとイノシシの個体数の調査結果を公表した。個体数調査は農林水産省と共同で行っている。2013年度に開始され、目標は10年(2023年度)で両種の生息数の半減。また、環境省は生息分布調査の結果も合わせて発表した。生息分布調査は、1978年度、2003年度、2011年度、2014年度に続く5回目の調査。発表された結果の概要は以下の通り。

§個体数推定

個体数推定法は、2019年度までの捕獲数等の情報をもとに、ハーベストベースドモデルを基本とした統計手法の階層ベイズモデルを用いて、本州以南のニホンジカと全国のイノシシの2019年度末の個体数推定を実施。なお、北海道は独自に個体数推定を行っており今回の結果には含まれていないが、北海道のニホンジカの推定数は2019年度末で約67万頭。

ニホンジカ、イノシシともに、2014年度をピークに減少傾向となっている。

  • 本州以南のニホンジカの個体数(2019年度末)
  • 中央値 約189万頭(90%信用区間 約142万~260万頭)
  • 全国のイノシシの個体数(2019年度末)
  • 中央値 約80万頭(90%信用区間 約58万~111万頭)

§生息分布調査

従来の調査では生息分布情報が得られていなかった地域を対象にて、2014年~2018年度に得られた捕獲許可に基づく捕獲位置情報および都道府県へのヒアリングによって、各種の生息分布に関する情報を収集し、5kmメッシュ単位で生息分布図を作成。

2014年度の調査結果との比較で、ニホンジカ・イノシシともん分布域を約1.1倍に拡大している。ニホンジカは、東北、北陸、中国の各地方で、イノシシは、東北、関東、北陸の各地方で分布の拡大が見られる。

なお1978年~2018度までの40年間で、ニホンジカの分布域は約2.7倍に拡大、イノシシの分布域は約1.9倍に拡大している。