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■介助犬PR犬を引退した犬を発達障害をもつ男の子の家族へ

2021-03-08 14:07 | 前の記事 | 次の記事

Sくんとダンク

社会福祉法人日本介助犬協会は、2021年2月19日、「PR犬」を引退したダンク(6歳、雄)を、発達障害をもつ男の子の家族へ譲渡したと発表した。「PR犬」は、普及活動において介助犬のデモンストレーションなどで活躍している。

介助犬、そして介助犬とともに暮らす肢体不自由者は全国に57ペア(2020年10月現在)しかおらず、認知度が低い。そこで同協会は普及活動にも力を入れ、全国各地で開催される講演会やイベントの場で介助犬のデモンストレーションを実施し、介助犬の役割や必要性を示している。そのような場で活躍するのが「PR犬」。介助犬の訓練を行う過程で、介助犬ではなくPR犬としての素質があると判断された犬が「PR犬」となる。人が大好き、どんなところでも寝ることができる、初めて行く場所でも職員のハンドリングのもと、落ち着いてデモンストレーションができる犬が向いており、現在8頭のPR犬が活躍している。

ダンクは2021年2月に引退し、神奈川県横浜市在住のOさん一家に譲渡された。ダンクは2歳よりPR犬となり同協会の本部がある横浜市を拠点に活動。落としたものを拾う、携帯電話を探して持ってくるなどのデモンストレーションを行うほかにも、愛嬌のある性格でふれあいでは尾を振りながら自ら客に撫でてもらいに行くなど様々な場面で活躍していた。

同協会本部には犬が過ごす犬舎はなく、PR犬を預かり、送迎などを協力する飼育ボランティアの存在が欠かせない。Oさんはダンクを5年間預かっていたボランティア。Oさんの長男Sくん(9歳)は発達障害があり、Sくんが通う市内の障害者施設に貼ってあったPR犬預かりボランティア募集のチラシを見てボランティアを始めた。Sくんとダンクは兄弟のように一緒に過ごしている。PR犬を引退する年齢と定められている7歳を4月に迎えるにあたりダンクは引退し、Oさんの家族の一員として譲渡された。

同協会は「介助犬には向かない」と判断した犬たちを一般の家庭に譲渡しているほか、障害児者のいる家庭への犬のマッチング・譲渡にも「With Youプロジェクト」として取り組み、2015年のプロジェクト開始以降、これまでに21頭の犬たちが障害児者のいる家庭に、家族として迎えられている。

  • 問合せ:社会福祉法人日本介助犬協会
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