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■「畜産分野の温室効果ガス排出削減」に関する活動を開始 DSM

2021-02-12 12:13 | 前の記事 | 次の記事

実験結果とBovaerの説明

オランダに本社のあるグローバル・サイエンス企業のRoyal DSMは、2021年1月21日、畜産分野の温室効果ガス排出削減に関する活動を開始したと発表した。DSM株式会社が2021年2月3日にそれを翻訳し、プレスリリースした。

国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の目標13「気候変動に具体的な対策を」の実現に寄与する畜産分野の温室効果ガス排出削減に対して、同社も取り組んでいくことの宣言となる。

同社の製品についての効果が以下の通りにまとめられて発表された。

  • ProAc
  • 養豚、養鶏での窒素利用効率(NUE)を向上させることで、環境への窒素化合物流出を飼料の配合に応じて7~17%減少させる。
  • VevoVitall
  • 養豚から発生するアンモニアを削減するテクノロジーで、その効果は十分に立証されており、アンモニア排出量を最大17%減少させる。
  • HiPhos
  • 効果が非常に高い飼料添加物フィターゼで、有限の資源であるリン鉱石(P)への依存を低下させ、飼料に含まれる植物中のリン酸を遊離させることで、環境へのリン排出量を減らすことができる。
  • Bovaer
  • 養牛のメタン排出量を直接的に減少させ、減少量30%以上の効果を一貫して発揮する。
  • Digestarom(バイオミン社)
  • 畜産での飼料効率を向上させる製品で、アンモニアの年間排出量26%減、48%の抑臭効果が確認されており、カーボンフットプリントの削減につながる。

DSMアニマルニュートリション&ヘルスのスペシャリティーズビジネスソリューションズのバイスプレジデント Christie Chavisのコメントは以下の通り。

「サステナブルな動物性蛋白質の生産、という世界が直面している課題を根本から解決するために、畜産業界全体が行動を起こすきっかけを作るべく、当社は『畜水産業における温室効果ガス排出削減』プラットフォームを開始しました。サステナビリティに関わるあらゆる問題の要は、消費量と排出量を減らしながら生産量を増やさなければならないことです。私たちDSMが目指していることは、模範を示し、新機軸を打ち出し、そしてバリューチェーンのあらゆる段階で環境に優しい畜水産業を実現することです。」

また、DSM株式会社が2月8日に翻訳発表した飼料添加物「Bovaer」の試験結果の概要は以下の通り。

  • 実施グループ:DSM、ワーゲニンゲン大学、FrieslandCampina社、Royal Agrifirm Group、De Heus Animal Nutrition社、ForFarmers社
  • 試験期間:3か月
  • 試験場所:レーワルデンにあるWageningen Livestock ResearchのDairy Campus(酪農試験場)
  • 試験方法:牧草サイレージとコーンサイレージを3種類の配合率で粗飼料に混ぜたものに対して、「Bovaer」を2種類の分量で添加して、メタンの削減量を調査。 泌乳中期のホルスタイン・フリーシアン種64頭を使用。
  • 結果:
  •  コーンサイレージを含まない粗飼料に低用量の「Bovaer」(60 mg/kg DM*)を加えた場合のメタン削減率は27%。コーンサイレージ80%の乾物粗飼料に低用量の「Bovaer」を加えた場合のメタン削減率は35%に増加した。
  •  「Bovaer」の添加量を少し増やした場合(80 mg/kg DM)は、メタン削減率が29~40%。