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■2020年流行初発の高病原性鳥インフルエンザの病原性解析 動物衛生研究部門

2020-12-18 13:06 | 前の記事 | 次の記事

日本で分離されたH5亜型HPAIV経鼻接種鶏の生存曲線(提供:農研機構)

内田裕子先生(オンライン画面より)

西藤岳彦先生(オンライン画面より)

農研機構は、2020年12月14日、動物衛生部門が行った高病原性鳥インフルエンザの病原性解析の成果についてオンラインで記者発表した。また詳細は同日プレスリリース発表された(http://www.naro.affrc.go.jp/publicity_report/press/laboratory/niah/137718.html)。

まず動物衛生研究部門の内田裕子先生が研究概要を説明し、西藤岳彦先生を交えて質疑応答が行われた。

実験に供されたのは香川県での今季初発事例から分離したH5N8亜型高病原性鳥インフルエンザウイルス。鶏への静脈内接種試験および経鼻接種試験を行い、このウイルスは鶏に対して高い致死性を示し、間違いなく高病原性であるが、死亡するまでの期間が長い傾向が認められることが判明した。

死亡までの期間が長いことに対して、「病原性が過去のものよりもマイルドと言えるのか」という質問に対して、西藤先生は「病原性が低いというとらえ方はしていないが、(死亡までの)時間がかかるという面はある。これからウイルス排泄の量、期間を解明していく」と答えた。従来の高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染のようにバタバタと死んでいくという面がない分、日々のより細かな観察が重要となる。