JVMNEWSロゴ

HOME >> JVM NEWS 一覧 >> 個別記事

■ペットの健康管理に関する実態調査 定期健康診断を受けるペットは4割強 Team HOPE

2020-03-30 12:29 | 前の記事 | 次の記事

太田亟慈先生(写真提供:Team HOPE)

健診の受診状況

健診内容

ペットの予防医療の啓発・普及活動を展開する獣医師団体である一般社団法人Team HOPE(代表 太田亟慈先生)(https://www.teamhope.jp/)は、2020年3月27日、「ペットの健康管理に関する実態調査」の結果を発表した。犬と猫の飼い主・ご家族(以下、ご家族)412名を対象にを実施したもの。

調査はインターネット調査によるもので、20歳以上の犬・猫それぞれ7歳以上、7歳未満の4区分103名ずつを対象としたアンケート調査で、2019年12月6日~7日に実施された。この調査は2016年から毎年実施されており、今回で4回目。

Team HOPEでは調査結果を以下のようにまとめている。

  1. 定期的な健康診断を受診させているご家族は4割強。4年前と比べて11%も伸長!
  2. 定期健診の頻度は、定期健診受診ベースで年1回が6割。年2回以上がここ3年で10%伸長!特に7歳以上の高齢ペットの伸びが大きい。
  3. 健康診断で受診している項目は、問診・触診・視診が8割以上。聴診と血液検査は6割弱。泌尿器や消化器、内臓疾患の早期発見に役立つ尿検査・便検査・レントゲンは2割程度の受診にとどまる。
  4. 病気にかかった経験のあるペットは55%。7歳未満は40%、7歳以上が70%(犬80%、猫60%)。多い病気は、「皮膚」「泌尿器」「目」「歯・口腔」「耳」。猫の7歳以上は泌尿器の病気が30%。
  5. 今現在、疾患のあるペットは27%。7歳未満は15%、7歳以上は39%と高齢ペットの病気はご家族にとってもリスクになると考えられ、健康診断による早期発見の重要性が高まっている。
  6. ペットの介護経験は現在介護しているご家族は5%、経験がある方は20%。ほとんどが自宅で介護。
  7. 介護についての考えを問うと、「介護が必要になったら、できるだけ自分や家族で面倒をみたい」45%と前向きであるが、実際には「介護は不安だが、特に対策をしていない」30%、「介護を予防したいが、予防方法がわからない」24%というように、不安な割に情報が少ない様子が伺える。

今回の調査結果に対して太田亟慈先生は以下のコメントを発表した。

近年、犬や猫も長寿化が進み、15年以上生きる例も目立ちます。これは人間でいうと、70代半ばにあたります。犬や猫では中年期にあたる7歳を過ぎた頃から、病気を発症することが多くなります。歳をとるスピードが早いペットの場合、年に2回以上、健康診断を受けていただくことをお勧めします。また、ぜひ「全身の健康状態」を把握できる健診を受けてください。私の病院でも、ご家族さまが気がつかなかった疾患を発見できた例がたくさんあります。臨床症状の有無に関わらず、潜在的疾患の可能性や各器官の機能異常も知ることもでき、これらに早期に対処できるため、重症化を防ぐことができ、健康寿命を延ばすことが可能になります。

ペットの介護問題も、ひとりで悩まず、ぜひかかりつけの動物病院にご相談ください。獣医師やスタッフが症状や生活スタイルに応じて適切にアドバイスをいたします。近い将来、ペットの介護をサポートできるような仕組みや環境が整った社会になることを切望します。私たち動物病院と一緒に、ペットとの暮らしをより良く素晴らしいものにしていきましょう。