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■世界小動物獣医師会(WSAVA)プレスリリース 新型コロナウイルスと伴侶動物についてのガイドライン

2020-02-26 12:49 | 前の記事 | 次の記事

WSAVA、2020年2月11日発信

翻訳:WSAVA the Translation Committee メンバー 安田隼也(獣医師)

World Small Animal Veterinary Association(WSAVA)は中国で発生した新型コロナウイルス(2019 n-CoV)について飼い主と話をする際に参考となる指針と想定質問集を作成した。

同時に、獣医師は飼い犬や飼い猫から新型コロナウイルスに感染する可能性や伴侶動物が人やほかの動物に感染を媒介することは非常に考えづらいため、パニックにならないように速やかに伝達する必要があることを喚起する。

WSAVAのOne Health Committeeの委員長であるMichael Lappin先生は以下のことを飼い主に伝えるように推奨している。

  • 十分に衛生状態を保てる限りは飼っている伴侶動物と一緒にいること
  • 猫は屋内にとどめておくこと
  • もし家族や友人で入院している者がいる場合は動物を預けに出すこと
  • 不安がある場合は速やかに獣医師に相談すること

WSAVAのScientific CommitteeおよびOne Health Committeeは共同して参考となる指針の作成し、そこでは現時点では伴侶動物やその他の産業動物が新型コロナウイルスに罹患することや人へ感染を起こすというエビデンスが無いことを確認している。しかし一方で「急激な展開を見せる」ことを警戒している。

指針では獣医師に向けて、一部の地域で販売されている犬で消化器症状を起こすコロナウイルスに対するワクチンを使用することで、新型コロナウイルスへの何らかの防禦を期待する動きに対して警鐘を鳴らしている。こうした使用法にエビデンスはない。なぜなら新型コロナウイルスは型が明確に異なるからである。

WSAVAの会長であるShane Ryan先生は、「新型コロナウイルス2019 n-COVについてはいまだに分からないことも多い。喫緊の課題は可及的速やかに人での感染をコントロールすることであるため、伴侶動物がウイルスを伝搬することを恐れた飼い主によって遺棄または殺されてしまうという動物福祉上の問題を懸念している。このような処置が必要となるエビデンスはなく、獣医師には飼い主にWSAVAの指針に従い、飼い主も動物も安全にすごしてほしい」と述べている。

WSAVAによる指針:https://wsava.org/wp-content/uploads/2020/02/WSAVA-Issues-Guidance-on-Pets-and-the-New-Coronavirus_Press-Release-2020.pdf

WSAVAは113の加盟団体を通じて世界中の20万人以上の獣医師を代表し、伴侶動物医療のレベル向上に努めている。その主な活動は獣医療で主要な分野におけるWSAVAのガイドラインの作成や世界中で伴侶動物医療に影響を与える事柄の重要性を知ってもらうことである。

追記:
WSAVA One Health Committeeの活動はWSAVAのDiamond PartnerのPurina Institute(https://www.purinainstitute.com/)にサポートされている。

より詳しい情報をお求めの場合:
Rebecca George,George PR,
Tel 01449 737281/07974 161108