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■東京大学 寄附講座「動物疾患データ解析」 中山裕之先生に聞く

2019-05-28 18:07 | 前の記事 | 次の記事

中山裕之先生

 東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻に2019年4月、「動物疾患データ解析」寄附講座が設置された。寄附をしたのは株式会社アイフラッグ。3年間、講座が置かれる。特任教授を兼務する中山裕之先生(獣医病理学研究室教授・動物医療センター長)にお話しをうかがった。内容は以下の通り。

 寄附講座には中山裕之先生のほか専任の特任助教として坪井誠也先生(3月まで動物医療センター特任助教)が就任し、2人体制がとられている。

 まずは、動物医療センターのカルテ情報を整理し、データベースをつくり、研究に活用していく。将来的には、国内他施設の情報も含め、公開していきたいと構想している。また、個人情報保護の観点から困難なことは予想されるが、飼い主の情報もデータベース化していければ、人と動物の関係も解析できるのではないかと。人と伴侶動物は生活環境を共有していることから、人と動物の健康状態の関連を明らかにする、シックハウス症候群などについて人と動物を互いに疾患モニターとして活用するなど、着眼点により研究は多様となっていく可能性がある。

 専任となる坪井誠也先生は、コンピュータを得手としており、動物医療センターのFacebook(https://www.facebook.com/UTokyoVMC/)も担当されているとのこと。さらなる医学統計の勉強を進められている。東京大学大学院医学系研究科社会医学専攻医療情報学分野の先生方とも情報交換を行っていく予定。

 獣医学分野における革新的な研究成果を期待したい。

2019年5月28日、東京大学動物医療センター センター長室にて、聞き手・構成:松本 晶