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■トイ・プードルの膝疾患、遺伝が原因か アニコム損保

2019-05-24 16:59 | 前の記事 | 次の記事

膝蓋骨脱臼の有病率

 アニコム損害保険株式会社と理化学研究所の研究チームは、2019年5月22日、2,000頭以上の犬を調査した結果、家庭犬として最も人気のあるトイ・プードルに多発する病気「膝蓋骨脱臼」の発症に遺伝的な影響が強く関与するという研究結果をThe Journal of Veterinary Medical Scienceにて発表したとするプレスリリースを配信した。

Maeda K, Inoue M, Tanaka M, Momozawa Y. 2019. Evidence of genetic contribution to patellar luxation in Toy Poodle puppies. J Vet Med Sci. 2019 Apr 16; 81: 532-537.
doi: 10.1292/jvms.18-0485. Epub 2019 Feb 12.

 今回の研究では、日本における人気犬種である9犬種(トイ・プードル、チワワ、ミニチュア・ダックスフンド、柴、ポメラニアン、ヨークシャー・テリア、マルチーズ、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー)、計2,048頭の子犬(0歳齢)を対象に、膝蓋骨脱臼の大規模調査を実施した。

 9犬種2,048頭のうち、膝蓋骨脱臼の発生が最も多い犬種は、トイ・プードルで、有病率(その病気を持っている割合)は14.4%と、約7頭に1頭が本疾患を持っていることが明らかとなった(写真)。

 トイ・プードルでは、ある子犬が膝蓋骨脱臼を発症した場合、一緒に生まれた兄弟犬も膝蓋骨脱臼になるリスクは、発症した兄弟犬がいない場合にくらべて16.2倍も高かった。この調査結果から、遺伝的な関係性が近いほど膝蓋骨脱臼になりやすいと考えられ、トイ・プードルの膝蓋骨脱臼は子に遺伝していることが示唆される。

 遺伝病を減らしていくためには原因遺伝子の特定や、それらを踏まえた遺伝子検査の普及と適切な交配計画等といったさらなる研究と施策の実施が望まれるとし、アニコムグループは、引き続き遺伝病に対する研究等の取り組みを進めていくとのこと。