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■オンラインセミナー「有害捕獲獣を北海道の動物園で屠体給餌する際に留意すべき感染症とその対策‐特に寄生虫病を想定した事例について」

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  • 日時:2023年11月21日(火)17:00~18:30
  • 内容:
    • 捕獲個体を用いた屠体給餌:地域における獣害問題と動物園の動物福祉をつなぐ取り組み
    •  細谷忠嗣(日本大学生物資源科学部/Wild meæt Zoo)
    • 有害捕獲獣を北海道の動物園で屠体給餌する際に留意すべき感染症とその対策‐特に寄生虫病を想定した事例について
    •  浅川満彦(酪農学園大学獣医学類)
  • 対象:動物園・水族館等で野生動物の飼育・治療等を担当されている方
  • 申込み:https://docs.google.com/forms/d/1EbWey-QkAXbo3aHo1R683Fub8bUY-4J0XyCPFYje1fQ/edit
  • 申込み期限:2023年11月20日(月)17:00
  • 主催:と体給餌利用促進コンソーシアム(代表:日本大学生物資源科学部 細谷忠嗣)

開催趣旨:

近年、獣害管理で捕獲された野生動物の屠体の有効活用と、動物園の動物の動物福祉の向上という二つの課題をつなぐ新たな教育啓発プログラムとして、捕獲された野生動物を用いた屠体給餌への関心が高まっている。屠体給餌とは、屠殺した大型動物を毛皮や骨などが付いた状態で動物園の展示動物に与える給餌方法を指し、日本では、2017年、大牟田市動物園で捕獲された野生動物を用いた屠体給餌が初めて実施された後、全国の動物園で試行的取組みが行われ、愛知県の豊橋総合動植物公園では、大型肉食獣に定期的な給餌が行われている。北海道においても、農作物被害防止等を目的としたエゾシカの捕獲数が増加し、捕殺された屠体の有効活用が課題となる一方で、札幌市では動物園条例が施行され、動物福祉に対する市民の理解も広がっている。2023年6月25日(日)、札幌市円山動物園で、ワークショップ「北海道における捕獲された野生動物を用いた屠体給餌の可能性」を開催したところ、来園者および参加者は、獣害管理の実態を学ぶと共に動物の生き生きとした姿を見ることができるとこの取組みを高く評価し、今後はオール北海道でこの取組みを推進すべきとの意見が大半を占めていた。

現在、給餌用屠体の成分分析や動物の健康や行動に対する効果の検証が進められ、動物園において導入を検討するための条件整備が進められている。一方、Wild meæt Zooは適切な処理方法を確立し、マニュアルを公開しているが、民間施設等では適切な処理を行わず、生の状態の屠体を給餌する例もみられ、不適切な方法で実施されることで、予期せぬ事故や疾病が生じることが懸念される。

本セミナーでは、野生動物を用いた屠体給餌に伴うバイオリスクとその管理方法について、野生動物医学の研究者が解説する。屠体給餌の導入を検討されている方、動物園における野生動物の感染症対策全般に関心のある方は、参加下さい。