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■携帯型シークエンサーでMycoplasma bovisの薬剤耐性を6時間で判定 酪農学園大学 臼井 優先生らの研究グループ

2026-07-15 16:54 掲載 | 前の記事 | 次の記事

研究の概要

酪農学園大学の臼井優教授らの研究グループは、2026年7月8日、携帯型シークエンサー(nanopore sequencer)と複数の標的遺伝子を同時に増幅する「マルチプレックスPCR法」を活用し、牛の重要な病原体であるMycoplasma bovisの薬剤耐性変異を、その日のうちに判定・監視する新たな検査手法を開発したと発表した(参照:酪農学園大学「プレスリリース」)。

M.bovisは、乳牛の乳房炎や子牛の肺炎などの原因となり、治療が極めて困難であり、酪農現場での脅威となっている。この細菌は増殖が遅く、従来の検査法では検査に時間がかかるため、適切な抗菌薬が判明するまでに約2週間かかってしまい、その間の経験的な抗菌薬の使用がさらなる薬剤耐性菌を生み出す悪循環を招いていた。

今回、PCR法と携帯型シークエンサーを組み合わせた検査プラットフォームを構築し、M.bovisに対して5系統の抗菌薬への感受性に関わる複数の遺伝子の変異を一度に解析し、6時間で感受性の有無を高い精度で予測できるようにした。

さらに、同手法を用いて日本国内から集められた329株のM.bovisを調査したところ、過去(2013~2016年)と近年(2023~2025年)の間で、耐性変異を持つ株の割合が急増しているという事実が明らかになった。

この技術が普及することで、獣医師が有効な抗菌薬を選択できるようになり、治療成功率の向上だけでなく、抗菌薬の適正使用や耐性菌の拡散防止に貢献することが期待される。

発表論文