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農研機構は、2026年5月13日、放牧牛の水飲み行動を利用して体重を自動計測する個体管理システムに用いる誘導路(シュート)を改良し、牛同士の攻撃行動が起こりにくい新型シュートを開発したと発表した(参照:農研機構「プレスリリース」)。
出口を斜め前方に設けることで牛が前進して退出でき、攻撃行動の発生率は15.5%から7.0%へと半減した。1日の1頭あたりの利用回数は従来型の平均1.5回から1.9回に増加し、1回あたりの滞在・飲水時間も、2.2分から3.2分に増加した。
新型シュートにより牛にとっての安全性が高まるとともに、牛の観察や体重データの安定的な取得がしやすくなった。
この技術は、公共牧場や放牧を行う肉用牛生産者が、現場で安全かつ省力的に個体管理を行うことを想定して開発したもの。大規模な専用設備を必要とせず単管パイプ等を用いて設置することが可能で、放牧牛の自然な行動を活かして利用できる点が特長。
今後、追加機器を設置して発情発見や薬剤投与などの作業にも対応できるようにすることで、放牧牛の健康管理の高度化や生産性向上への貢献が期待される。
体重計測システムの簡易化と低コスト化を進めるとともに、生産者自らが設置・運用を検討できるよう、構造の考え方や設置上の留意点を整理した手順書の作成を予定している。
発表論文
- Development of a chute for improving cow movement and reducing agonistic behavior.
- Huricha, Hirano, K., Tsutsumi, M., Kakihara, H., & Watanabe, N.
- Grassland science.2026


