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■ベーリンガーインゲルハイム 2024年に日本において前年を上回る業績 アニマルヘルス事業も売上増

2025-05-29 16:04 掲載 | 前の記事 | 次の記事

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社およびベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン株式会社は、2025年5月27日、2024年(1~12月)の業績を発表した(参照:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社「プレスリリース」)。

医療用医薬品事業の2024年の売上高は、主力製品である「ジャディアンス ファミリー」と「オフェブ」に牽引され2,513億円(薬価ベース、前年比8.4%増)となり、2019年より6年連続の増収を達成した。

「ジャディアンス」はSGLT2阻害薬。2型糖尿病と慢性心不全に加えて、2024年2月に3番目の適応症となる慢性腎臓病の国内製造販売承認を取得している。「ジャディアンス」とDPP-4阻害薬「トラゼンタ」の配合剤である2型糖尿病治療薬の「トラディアンス」の売り上げも増加しており、同社はこの2製品を「ジャディアンス ファミリー」とし、あわせて前年比27.9%増の売上1,129億円となり、初の1,000億円超を達成している。

「オフェブ」は抗線維化剤。特発性肺線維症(IPF)および全身性強皮症に伴う間質性肺疾患(SSc-ILD)、進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF-ILD)の治療薬。

アニマルヘルス事業の売上高は、219億円(卸売出荷ベースで前年比2.7%増)であった。

売上全体の80%を占めるコンパニオンアニマル(ペット)分野では、「ネクスガード ファミリー」を中心とした主力の犬猫用寄生虫駆除薬が138億円(卸売出荷ベースで、前年比6.5%増)となり、引き続きマーケットシェア50%以上を占めている。

2024年9月に上市した猫用糖尿病治療薬「センベルゴ」は、ヒト用医療用医薬品の研究開発で得た知見を生かして開発された。猫用の糖尿病治療薬として日本初の1日1回経口投与の液剤タイプのSGLT2阻害薬で、これまで1日2回12時間おきに注射投与を必要とするインスリンでの治療環境下で制限されていた、猫や猫オーナーの日常生活の負担を大きく改善することが期待される。「センベルゴ」は多くの猫オーナーや獣医師に受け入れられ、2023年秋に液量を半分にすることで猫の負担を軽減、獣医師の取り扱いやすさも向上した猫用ワクチンの「ピュアバックス」各種、犬の心臓病治療薬「ベトメディン」とともにコンパニオンアニマル分野を下支えした。なかでも「ベトメディン」は2025年3月にそれまでのチュアブルタイプなどに加え液剤タイプが発売され、今後のさらなる成長が期待される。

ライブストック(畜産動物)分野では、2024年9月に豚用ワクチンの「エンテリコリックス」を発売した。「エンテリコリックス」は、妊娠中の母豚に投与することにより移行抗体を増強させ、その初乳を摂取した産子が免疫を獲得することを目的とした不活化ワクチン。大腸菌症、壊死性腸炎に加え、浮腫病に対する効能または効果を有する唯一の多価ワクチンであり、子豚はもちろん、ワクチン接種や飼育豚の管理にあたる獣医師と畜産農家にとって有用性の高い製剤となっている。牛用ワクチンの「ボベラ」、鶏用ワクチンの「バキシテック HVT+IBD」などとともにアニマルヘルス事業の成長の原動力となっている。

ベーリンガーインゲルハイムは、人や動物のウェルビーングや環境負荷低減につながる社会貢献活動への社員の参加を奨励しているとのこと。2024年、日本で延べ1,487人が社会貢献活動に参加し、「私たちは今後も、社員が自発的に社会貢献活動に取り組むことができる環境を醸成してまいります」とコメントしている。